WRC世界ラリー選手権第10戦ラリー・ターキーは9月15日、デイ2のSS2~7が行なわれ、ランキングリーダーのティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)がトップに躍り出た。トヨタはヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合4番手、オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が同5番手につけている。
■Mスポーツ・フォード
●セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)
「今日は、路面のコンディションが先頭の僕らに有利なことが多くて驚いたよ! グラベルでは滅多にないことだからね」
「全力を尽くしたし、ドライビングには満足している。午前中は土埃でかなりタイムロスしてしまって、それが今日1日で唯一イライラしたことだね。だけど、できるかぎりのことをした」
「午後はロングステージの間リズムを保つことに集中し、激しいプッシュはしなかった。クリーンさを保って、岩場でアグレッシブになりすぎないようにだけ心がけたんだ。その後、タイヤがかなり摩耗してきて、1日の終わりにはトレッドがほとんど残っていなかったよ!」
「まだラリーの道のりは長いけど、全力を尽くす。一貫性を保つことで絶好のチャンスが訪れるはずだ」
●エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)
「タフな1日だった。僕らは最初のステージ(SS2)でインターコムのトラブルがあって、その後の2ステージ(SS3とSS4)ではトランスミッションのトラブルに見舞われたんだ」
「でも午後の走行はうまくいって、SS5の終わりにかけてスローパンクするまでは、かなりいいスピードを出せていた」
「そしたら、次のSSでコースの内側に巨大な石があって、ステアリング操作で避けたけど、ウィッシュボーンにそれがヒットしてしまった。残念ながらそういうことだ。仕方がなかったよ」
●テーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)
「今日はかなりラフなコンディションだったけど、たくさんのことを学べたと思う」
「こんなコンディションは経験したことがなかったから、限界がどこなのかまだ分からない。でも、全力を出すときは、マシンやタイヤのことは余り考えていない。午後1番のSSのようにね。タイムはすごくよかったよ」
「もっと安定した走りするためには、まだ学ぶべきことがたくさんある。だけど、マシンはすごく運転しやすくて力強かったから、明日も引き続き改善できるといいね」
■ヒュンダイ・モータースポーツ
●アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)
「総合トップ3位内で初日を終えることができてうれしいし、ティエリー(・ヌービル)やセブ(セバスチャン・オジエ)と首位争いの接戦を繰り広げることができた」
「完璧ではなかったけれど、非常に厳しいコンディションのなか、力強いスタートを切ることができた。週末を木曜夜のステージ優勝でスタートした後、金曜の午前の走行に向けてクレバーなタイヤ選択ができたおかげでだろう」
「着実なドライビングをして大きな岩を避け、できるところではプッシュしていったが、それと同時に安全に進んでいくようにした」
「午後の方が厳しくなることは分かっていた。とても注意を払いながら1日を終えたんだ。なぜなら右のリヤタイヤがパンクしたし、最終ステージでは使い込んだユーズドタイヤで戦わなければならなかったからね」
「全体では2回ステージで優勝したし、3つのステージではラリーをリードしていた。土曜にはもっと調子を上げていく。もちろん、とても楽観的でいるよ!」
●ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)
「首位を巡る最高の戦いになった。今日は新しいイベントの素晴らしいスタートになったね!」
「今日直面したコンディションは本当にタフだった。午前中は落ち着いて着実な走行をしたから、首位争いにからめるとは予想していなかった。ダスティーなコンディションのおかげで、出走順1番という不利な状況が改善され、トップ争いに留まることができたんだ」
「今回のコースは今シーズンに経験した他のどのコースともまったく違う挑戦だったから、新鮮だったね」
「午後はもう少し慎重にしていかなければならなかった。SS5では多くのタイムを失い、結果として続くステージではリスクを冒さなければならなかった。最終ステージでも数秒を失い、ミスを取り戻す必要があった」
「このラリーではほんの小さなことでも勝敗が決まってしまうということだ。エキサイティングなところが気に入っているよ!
●ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC)
「今日は誰にとっても、まさにハードな仕事をしなければならない1日になった。これまで見てきたなかで、一番荒れたコンディションだったよ!」
「気をつけながらマシンを労り、正確で着実なドライビングを続けるというのがスタートからの計画だった。出走順のアドバンテージはあまりなかったから、ペースノートに忠実に進んだよ」
「午後はさらにハードだった。(そのなかで生き残れたのは)マシンが強靭であることの証拠になったね。あの困難なステージを持ちこたえたのだから」
「最終ステージではダンパーが壊れてしまい、そのせいで状況が良くなることはなかったが、大接戦の末に6位につけることができた。コンディションを考えたら、悪くはないスタートだよ」
■シトロエン・レーシング
●クレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)
「コース半ばでとても慎重に走行していたのに、2度もパンクしたのは本当に腹立たしかった」
「でもまだラリーは終わってはいない。今日、(ティエリー・)ヌービルと(セバスチャン・)オジエは、出走順が1番でも速さを出すことは可能だということを示してくれたから、僕も明日は今日と同じようなペースを出せるように努めるよ」
●マッズ・オストベルグ(シトロエンC3 WRC)
「スタートはとても良かったのに、このように1日を終えることになったのは残念だ。表彰台を狙えるところにいたが、一方で(攻めすぎることなく)マシンをいたわって走ろうとしていた」
「残念ながら、僕たちのクルマのサスペンションアームは、あのラフな道路に負けてしまったんだ」
●カリッド-アル・カシミ(シトロエンC3 WRC)
「徐々にペースを上げていくことを期待しながら、マシンの挙動を確認していたが、メカニカルトラブルで僕たちの1日は途中で終わってしまった」
「午前中の他のドライバーのタイムとペースを考えると、チームはもっと良い結果に恵まれてもよかったはずだよ」
■トヨタ
●ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)
「今朝の最初のステージは、前走車の土煙で視界が悪かったにも関わらず、良いタイムを出せた。その後のステージでは少しタイムを失ってしまったが、午後は状況が良くなったよ」
「ステージはとても荒れていたので、とにかくクレバーに安定した走りを続けるよう集中し、ミスをしないように注意して走った。その結果、首位と16秒差の4位で1日を終えることができたんだ」
「明日のステージは路面コンディションが今日よりも少し良いので、我々にとってはチャンスだと思うよ!」
●オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)
「朝の路面コンディションは、予想していたよりも悪くなかったよ。ただし滑りやすいルーズグラベルによってタイヤのグリップレベルが充分に得られず、さらなる改善の必要性を感じた」
「午後は非常に大変でしたが、問題が起きないように走った結果、順位を上げることができた。そして、最後のステージは路面がとてもスムーズだったこともあり、良い走りができたよ」
「明日はさらにクルマが良くなるように、エンジニアとともに一生懸命努力していく。総合1位とのタイム差はまだそれほど大きくないので、トップ争いに加わるべく頑張りたいと思うよ」
●エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)
「今朝のステージではかなり苦戦しましたが、それでも何とか問題なく走り切りれた。午後の再走ステージでは路面がさらに悪くなることが予想され、クルマが沈み込んだ際に岩で下まわりを打つ可能性が高まると考え、サスペンションのセッティングを硬めに変更したんだ」
「しかし、その結果タイヤのグリップ力が落ち、長いステージではかなりのタイムを失ってしまった……。そこで移動区間のリエゾンでいくつか調整を加えたところ、グリップ力が回復した」
「今日の終盤の良い流れを明日も保ち、安定したタイムを記録し続けられるように走りたいと思うよ。まだまだ長い距離が残っているので、いかなることも起こり得るだろう」