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ホンダNSXの10kg増はどこまで影響するのか。天候不安定で走ってみなけりゃ分からないスーパーGT第6戦SUGO戦

2018年09月14日 20:21  AUTOSPORT web

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スーパーGT第6戦SUGOからホンダNSX-GTの最低重量が10kgアップ。この影響はどう出るか
2018年シーズンのスーパーGTも残り3戦。第6戦目がいよいよ今週末、スポーツランドSUGOで開催される。今回のSUGO戦、GT500クラスの一番のトピックスはやりホンダNSX-GTの最低重量変更だろう。今回からNSX-GTはこれまでの1034kgから1044kgへと10kg増加されることになり、ミッドシップゆえの性能調整が、さらに厳しくなったのだ。

 この性能調整変更について、ホンダ系のドライバーたちは当然、不満顔。「この競技はスポーツなのだから、ルールは途中で変えないでほしい」、「ホンダ陣営への嫌がらせですよね」等々……。もちろん、ライバルメーカーの意見は「そもそもミッドシップなんだからハンデは当然」と、これもまた風物詩とも言えるスーパーGTならではの『あるある』応戦。

 いずれにしても、このSUGOでは、これまでより10kg重くなったNSXがニッサンGT-R、レクサスLC500とどのようなパフォーマンス差になるのか、その目安となる重要な一戦になる。ウエイトハンデがほぼ同じマシンで、メーカー間のタイム差がどの程度になるのか。そのギャップ次第では、このSUGO戦の残り2戦の勢力図、そしてチャンピオンシップの成り行きがおおよそ、見えてくることになる。

 スーパーGTでの残り3戦、第7戦はポイント数×1kg、第8戦はウエイトハンデ一律0kgとなるので、第6戦はシリーズ中でもっともウエイトハンデが重い状態となる(ポイント数×2kg)。例年のシリーズの流れを振り返ると、第7戦、第8戦はランキング上位のチームがそのままレースリザルトの上位に来ることがほとんどで、言いかえればこの第6戦がタイトル候補枠の最後の奪い合いとなるのだ。

「チャンピオン争いを考えると、このSUGOが山場になるのはどのチーム、どのドライバーも感じていると思います。そこでなんとか、結果をきちんとまとめたいと思います」と話すのは、ARTA NSX-GTの野尻智紀。NSXはSUGOとの相性が良い印象が強い。今回はNSX同士の戦いになるでは、という予想されるが、、野尻はその予想を一蹴する。

「NSXがこのSUGOで得意と言われていますが、最近は他メーカーが勝っているし、特別優位な印象はありません。SUGOにNSXが合う/合わないも年々違うので、今年のマシンが合うかどうかは走ってみないと分かりませんね」と、NSX優位説に疑問を呈す野尻。

 実際、昨年はDENSO KOBELCO SARD LC500のレクサスLC500とCRAFTSPORTS MOTUL GT-RのニッサンGT-Rがファイナルラップで接触しながらの激闘を繰り広げたことからも、たしかに年度によってNSXの得意度合いが異なるのは事実のようだ。

■不安定な天候がスーパーGT第6戦SUGO戦をさらに予想しにくく……

 今回のSUGO戦のGT500の優勝争いに目を移すと、まずは当然、ウエイトハンデが軽いマシンが理論上、大きく優位に立つ。そしてミシュラン、ヨコハマタイヤ勢が強いのも、このSUGOでの特徴だ。ウエイトハンデを見ると、12号車のカルソニック IMPUL GT-R、CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rはパフォーマンスが高いながら軽量で、前戦に続いていつ勝ってもおかしくない好条件だ。

 ただし、今回のSUGO戦で予想をする上でやっかいなのが、天候だ。現在のところ土曜日の予選が雨模様で、決勝が雨上がりのドライが予想されるという、なんとも微妙なコンディション。

 雨絡みとなると、予選一発ではウエイトハンデの影響も少なくなることから、比較的重めのマシンも予選で上位に来やすい。と考えると、優勝候補の数は一気に広がってくる。その中で、敢えて優勝候補を絞るとするならばドライバーズランキング中団グループ、ランキング6位のMOTUL AUTECH GT-R、そして7位のARTA NSX、8位のWAKO'S 4CR LC500、そして10位のZENT CERUMO LC500か。

 GT300にとっては、この中高速コーナーの多いSUGOはJAF-GT勢が回頭性の高さを充分に発揮できる得意なサーキット。JAF-GT勢以外にもメルセデスAMG GT3やレクサスRC F GT3も中高速コーナーが速く、SUGOでのパフォーマンスは高い。

 その中でも今回のFGT300クラスで注目したいのがSUBARU BRZ R&D SPORT。ウエイトハンデはわずか22kgで、トップのARTA BMW M6 GT3の102kgとはなんと、80kg差。ここまで全5戦中完走が1回とトラブル、アクシデントに悩まされているが、その完走できた1戦が3位表彰台と、レースフィニッシュできれば上位に来れるだけの速さは持っている。

 GT300のタイヤ事情としては、普通の雨になればブリヂストンが圧倒的に高パフォーマンスを見せるだけに、天候とタイヤメーカーとの組み合わせは雨予報の予選では最大の注目どころとなる。

 例年、ファイナルラップまでトップ争いがもつれることが多いSUGO戦。果たして今週末はどんな展開が進められるのか。さまざまな注目点で見てみたい。