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NASCAR:TOYOTA GAZOO Racing 2018年第26戦インディアナポリス レースレポート

2018年09月14日 19:32  AUTOSPORT web

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モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第26戦『Big Machine Vodka 400 at the Brickyard』
モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第26戦
インディアナポリス

雨天順延で月曜2レース開催
カイル・ブッシュがレギュラーシーズンタイトル獲得!
トヨタ勢は4人が次戦からのプレーオフへ

 カップ・シリーズのプレーオフ前最終戦のインディアナポリスは、週末を通しての雨により、月曜日にエクスフィニティとのダブルヘッダーで行われました。デニー・ハムリンが終盤首位を快走しますが、残り7周で出されたイエローコーションからの再スタートでかわされ惜しくも3位フィニッシュ。エリック・ジョーンズが2位。カイル・ブッシュはレギュラーシーズンのチャンピオンを獲得し、トヨタ勢は4人がプレーオフに進出することとなりました。エクスフィニティ・シリーズも首位争いを展開したクリストファー・ベルが終盤惜しくもポジションを落とし7位でチェッカーを受けました。

Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第26戦 Big Machine Vodka 400 at the Brickyard
開催日:9月10日

カイル・ブッシュがレギュラーシーズンタイトル獲得!
レースはエリック・ジョーンズ2位、
終盤首位独走のデニー・ハムリンは惜しくも3位
トヨタ勢は4人が次戦からのプレーオフへ

 9月10日(月)、米国中部インディアナ州インディアナポリスのインディアナポリス・モーター・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第26戦『Big Machine Vodka 400 at the Brickyard』が開催されました。
 
 全36戦で戦われるシーズンの終盤10戦で選抜された上位ドライバーがタイトルを争うプレーオフへ向けたレギュラーシーズンも最終戦を迎えました。例年このレギュラーシーズン最終戦はリッチモンドで行われていましたが、今季はインディアナポリスでの開催。ここインディアナポリスでは、カイル・ブッシュが2015年、16年に勝利を挙げています。

 この週末、金・土曜日にエクスフィニティの練習走行、予選と決勝、土曜日にカップの練習走行と予選、日曜日に決勝という予定でしたが、3日間を通して雨に見舞われ、3日間全ての走行セッションがキャンセルに。翌月曜日(10日)に、午前10時からエクスフィニティの決勝、午後2時からカップの決勝と、どちらもぶっつけ本番で実施されることとなりました。
 
 11日(月)午後2時4分、2.5マイルオーバルを50周、50周、60周の3ステージ合計160周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。この週末全く走行しないままの初走行だけに、最初の10周、そして30周を終えたところでコンペティション・コーション(主催者より予定されて出されるイエローコーション)が出されることに。
 
 予選が行われなかったため、グリッドは規則に則りオーナーポイント順で、カイル・ブッシュがポールポジション。一方で3番手のマーティン・トゥルーエクス・Jr.と20番手のダニエル・スアレツは車検時のペナルティにより後方グリッドからのスタート。
 
 ポールのカイル・ブッシュは最初のコンペティション・コーションまで首位をキープ。上位を含むほとんどの車両がコーションでピットへ向かうなか、10番手スタートのハムリンはピットに入らず首位に浮上。3,4番手で再スタートしたカイル・ブッシュとエリック・ジョーンズとともに、トヨタ・カムリ勢が上位での走行を続けました。

 後方スタートのトゥルーエクス・Jr.は、ステージ後半にはトップ10が見える位置まで追い上げていましたが、残り10周というところでブレーキの破損からスピンを喫し、クラッシュ。惜しくもここでレースを終えることとなってしまいました。

 ステージ1はハムリンが3位、カイル・ブッシュが5位、エリック・ジョーンズが10位。

 ステージ2は、序盤からアクシデントによるコーションが連発。残り周回を見据えての様々な戦略により、順位が入れ替わりました。

 ステージ2の後半は一転グリーンのままの展開となり、終盤上位勢はグリーンフラッグ下でピットイン。ここでカイル・ブッシュがペナルティを受け、ポジションを落とすこととなってしまいましたが、ライバルもステージ2をトップ10圏内でフィニッシュしなかったことで、カイル・ブッシュはこの時点で2018年のレギュラーシーズンチャンピオンを確定しました。

 ステージ3はステージ間にピットインしなかったハムリンが3位で再スタートを切り、首位争いを展開。前半はイエローコーションが出なかったため、グリーンフラッグ下でのピットとなり、ハムリンらは給油すれば最後まで走り切れる、残り35周あたりでピットイン。

 その後、コーションを待ってピットを我慢したライバル勢も次々にピットへ向かい、全車がピットインした143周目にハムリンが首位に立ちました。

 その直後に、コース上の異物によりイエローコーション。上位勢はピットインせず、ハムリンは首位をキープしたまま再スタート。そのまま逃げ切って今季初優勝かと思われましたが、残り7周というところでクラッシュ車両によりイエローコーションが出され、築いたマージンは帳消しに。

 残り3周での再スタートをハムリンは上手く決めたものの、タイヤの新しいライバルの猛追を受け、接触しながらのサイド・バイ・サイドの末に残り1周半で先行を許すことに。ハムリンはエリック・ジョーンズにもかわされ3位でフィニッシュ。エリック・ジョーンズがトヨタ勢最上位の2位フィニッシュとなりました。

 ステージ3序盤には突然のタイヤパンクに見舞われ一時は周回遅れになりながらも追い上げたカイル・ブッシュは8位フィニッシュ。これでレギュラーシーズンは終了し、トヨタ勢は、カイル・ブッシュとマーティン・トゥルーエクス・Jr.、デニー・ハムリン、そしてフル参戦2年目にして初のプレーオフ出場となったエリック・ジョーンズの4名がタイトルを争います。
 
 この4人を含む、プレーオフ進出の16名はポイントを2000点にリセット。これにレギュラーシーズン中に稼いだ“プレーオフ・ポイント”(優勝で5点、ステージウィンで1点)を加えて戦い、まず10戦中最初の3戦で12名へと絞られることになります。レギュラーシーズンのチャンピオンとなったカイル・ブッシュは、これまでに獲得したプレーオフ・ポイントに加え、レギュラーシーズンチャンピオンのボーナス15点を獲得。2050点のランキング首位でプレーオフに臨みます。

 いよいよプレーオフに突入する次戦第27戦は9月16日(日)、米国西部ネバダ州ラスベガスのラスベガス・モーター・スピードウェイで行われます。

ドライバー エリック・ジョーンズ
「力強いレースが戦えた一日でした。プレーオフに入ってもこの強さが発揮できることを願っていますし、そうでなかったときも、辛抱強く今日のようなレースが戦えるように頑張ります」

ドライバー カイル・ブッシュ
「レギュラーシーズンタイトル獲得は、チーム全員がシーズンを通して全力で戦ってくれた結果です。特に今日は本当に厳しいレースでした。今日のレースは望み通りには行きませんでしたが、結果的には、レギュラーシーズンのタイトルとボーナスポイントを獲得できたので良かったです」

NASCAR XFINITY SERIES
第25戦 Lilly Diabetes 250
開催日:9月10日

2台のトヨタ・カムリがトップ10フィニッシュ

 9月10日(月)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第25戦『Lilly Diabetes 250』がインディアナポリス・モーター・スピードウェイで開催されました。
 
 今大会はエクスフィニティ・シリーズのみリストリクター・プレート(吸気量を制限し、エンジン出力を抑えるパーツ)が装着されて行われました。

 降雨のために、金・土曜日に予定されていた練習走行、予選と決勝レースは全てキャンセルとなり、10日(月)に順延されて行われることとなりました。
 
 10日(月)は、雨は止んでいたものの曇り空で、まだコース上には濡れた部分が残っている状態。トヨタ・タンドラに搭載されたコース乾燥システム“エア・タイタン”でスタート直前までコース乾燥作業を続け、予定よりも約20分遅れの午前10時27分、2.5マイルオーバルを30周、30周、40周の3ステージ合計100周(250マイル:約400km)して競われる決勝レースがスタートしました。
 
 この週末一度も走行のチャンスがないまま、完全なぶっつけ本番で走行することとなったレースは、10周目にコンペティション・コーションが出された後、2度にわたってイエローコーションとなり、ステージ1の最後は僅か1周での決戦に。
 
 今季7戦目の出場となったライアン・プリースが首位を争い、最後はリストリクター・プレートレースらしく4台が横一線でのフィニッシュとなりましたが、プリースは惜しくも2位。

 ステージ2もトヨタ・カムリ勢は上位を争い、シリーズレギュラーのクリストファー・ベルが2位、プリースが5位、同じくレギュラーのブランドン・ジョーンズが6位。

 ステージ3は序盤、ブランドン・ジョーンズが突然にタイヤパンクに見舞われ大きく後退。加えて好走を見せていたプリースも78周目に他車との接触でスピンを喫し、イン側の壁に激しくクラッシュ。プリースは無事でしたが、ここでレースを終えることとなってしまいました。

 このクラッシュでレースは一旦赤旗中断に。再開後は、ベルが首位争いを展開しましたが、プレートレースならではの“ドラフティング”(空気抵抗を抑えるため複数台が連なって走行する)のパートナーに恵まれず、じりじりとポジションダウン。ベルは7位、ブランドン・ジョーンズが10位でレースを終えました。

 エクスフィニティ・シリーズは次戦がレギュラーシーズン最終戦。次戦第26戦は9月15日(土)、ラスベガス・モーター・スピードウェイで行われます。

ドライバー クリストファー・ベル
「結果的には、ステージポイントを獲得し、7位でフィニッシュできたのは悪くなかったと思います。ここ2週間、われわれは20位以下の結果しか得られなかったので、流れは良くなっています」