現在は月曜日から土曜日まで週6日行なわれている郵便配達が、平日だけになる可能性が出てきた。日本郵便の人手不足に対応するため、総務省は早ければ2019年にも法改正をし、土曜日の配達を取りやめることを検討しているという。
報道を受けてネットでは、民営化によって公共サービスが切り捨てられるのかと懸念が相次いでいる。
「公共サービスの低下の問題として考えていかないと」
日経新聞などが報じたところによると、配達の取りやめが検討されているのは普通郵便のみ。速達や書留は週6日の配達が維持される見込みだという。
日本郵便では土曜日に14万6000人が出勤しているだけでなく、週6日の配達を維持するため、1万5000人が夜勤、1万1000人が深夜勤務をしている。同社は、土曜日の配達を取りやめ、土曜日・夜間の労働を軽減していく意向だ。
これに対し、中には「土日は休めよ」「全然構わんけど」と冷静な人もいるが、ネットでは民営化による公共サービスの切り下げだとして反発する人が多い。
「公共サービスの低下の問題として考えていかないと」
「早晩、ユニバーサル・サービスの維持も困難になるんじゃないの」
元郵便配達員だという人は、人手不足の原因は年賀状の自爆営業など、理不尽な労働環境が原因だと指摘していた。土曜日の配達を取りやめるのは人手不足への対応としては間違っているということだ。
また、実際に郵便局員として働いているという人からは、月曜日の配達料が増えて困るという意見が散見された。配達のない日曜分の郵便物は月曜に回されるので、現状でもパンク気味だという。
郵便配達には高い参入規制 「信書規制を撤廃しろよ」との声も
信書規制の問題もある。信書とは、書状や請求書、招待状、証明書のことをいう。新聞やカタログ、ダイレクトメールは信書に含まれない。
日本郵便以外の事業者が信書の配達を行うためには、全国に約10万本のポストを設置する等の難しい条件を満たして許可を受けなければならない。信書の配達は厳しく規制されているのだ。そのため膨大な郵便業務を減らしたいのなら「信書規制を撤廃しろよ」「信書規制やめた方がよっぽど早い」といった声が相次いでいた。
ただし、総務省の担当者は「そのような事実はない」と否定している。同省の情報通信審議会で、日本郵便から人手不足に陥っているという報告があったものの、
「日本郵便が社内で対応することであって、総務省として積極的に対策を取るということはありません。土曜日の配達を取りやめるという事実もありません」
と話していた。