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WRC:トヨタ、ラリー育成ドライバーに勝田貴元を選出。「日本人ドライバーがヤリスWRCで走る姿」に一歩前進

2018年09月11日 17:31  AUTOSPORT web

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2019年のTOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムに選出された勝田貴元
TOYOTA GAZOO Racingは9月11日、若手ラリードライバーを育成するラリーチャレンジプログラムを2019年から強化すると発表。その育成ドライバーに2月のWRC世界ラリー選手権第2戦スウェーデンでWRC2クラス優勝を成し遂げた勝田貴元を選出した。

 トヨタの若手ラリードライバー育成プログラム『TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラム』は2015年にスタート。トミ・マキネン率いるトミ・マキネン・レーシング協力のもと、勝田と新井大輝、コドライバーの足立さやかがWRC2などに参戦してスキルを磨いてきた。

 2019年に向けてはトヨタがワークス参戦しているWRC最上位クラスへの参戦を見据え、WRC2への参戦を中心とした形にプログラムが強化され、より多くのラリーに出場し、ドライバーの成長につなげるという。

 その育成ドライバーに選出された貴元は、1993年生まれの25歳。全日本ラリー選手権でチャンピオン経験のある勝田範彦を父に持ち、祖父の勝田照夫もラリードライバーという生粋のラリー一家生まれだ。

 ただし、貴元自身はカートでレースキャリアをスタートさせると、その後は全日本F3選手権に参戦するなど、主にサーキットレースで腕を磨いてきた。ラリーに挑戦を開始したのは2014年で、その後、ラリーチャレンジプログラムに加わった。

 ラリーチャレンジプログラム加入後の2017年にはWRC第7戦イタリアのWRC2で3位表彰台を獲得すると、今年2月のラリー・スウェーデンでは強豪を抑え、クラス優勝を遂げている。

 GAZOO Racingカンパニーの友山茂樹プレジデントは「このプログラムを通し、選手たちが大きく成長してきたことをうれしく思っています」とのコメントを発表している。

「また、これまで彼らへの熱心な指導とサポートを行ってくれた講師陣やチームにとても感謝しています」

「世界に挑戦したいという夢を持った若者を応援しようとこのプログラムを始めました。その後トヨタがWRCに挑戦するようになり、我々だけでなく、応援いただいているファンのみなさまからも、日本人ドライバーがヤリスWRCで世界の道を走る姿を見たいという声を多くいただきました」

「その夢に向かって、また一つ新しいステップを踏み出すこととなり、大変うれしく思います」

 プログラムのチーフインストラクターを務めるヨウニ・アンプヤは「プログラムを通して選手たちが成し遂げた成長にとても満足している」と語った。


「勝田、新井、ともにより高いレベルに到達できる可能性を持っており、ドライバー選考は簡単ではなかった」

「しかし、プログラムとしては、WRCという目標に向けてひとりのドライバーに集中したいという考えだ。プログラム開始当初、勝田はラリー経験ほぼゼロからのスタートだったが、そこから著しい成長を遂げた」

「新井ももちろん、さらなる成長に必要なスキルを備えており、これまでの達成に誇りを持って前に進んでほしいと思う」

「また、足立はヤルッコ・ニカラと共に戦い、素晴らしい成果を挙げた。実力あるニカラのコドライバーを務めることは容易なことではないよ。欧州でのラリー参戦を通して得た経験と成長は大いに誇れるものだと思う」

 今後、勝田は10月25~28日に行われるWRC第12戦スペインにフォード・フィエスタR5で参戦。その後は最上位クラスでヤリスWRCをドライブするべく、トレーニングを積むことになる。