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京大・吉田寮、9月末退去命令も「新規募集」…大学「入寮選考に応じるな」と異例文書

2018年09月10日 17:22  弁護士ドットコム

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今月末に差し迫った京都大学吉田寮の退去問題をめぐり、同自治会が秋期入寮の募集・選考を告知していることを受けて、大学側はこのほど、内部ポータルサイト上で、学生に向けて、入寮選考に応じないよう呼びかける「異例」の文書を掲載していたことがわかった。一部で反発が起きており、最後までゴタゴタがつづきそうだ。


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●吉田寮は100年以上の歴史がある

吉田寮は100年以上の歴史があり、学生たちに一定の自治が委ねられてきた。ところが、京都大学が2017年12月、「吉田寮生の安全確保についての基本方針」を発表。老朽化などを理由として、(1)2018年1月以降、新規入寮は認めない、(2)2018年9月末までに、すべての学生は退舎しなければならない――などと通知した。


一方、自治会のほか、思い入れのある元学生などが反発しており、交渉がつづいている。産経新聞によると、大学側は8月下旬、自治会に対して「交渉の打ち切りを示唆した」という。こうした状況の中、自治会は9月4日、今年度の秋期入寮選考を実施すると発表していた。


●大学側は、9月末までの退去を想定している

大学側は9月7日、学生が利用する内部ポータルサイト上で、「この行為は安全性の確保されいない建物に新たな居住者を増やそうとする無責任な行為であるだけでなく、『基本方針』に反している」「このような行為は、吉田寮の設置・管理する京都大学として誠に遺憾である」としている。


さらに、今回の入寮選考に応じて吉田寮に入舎することは、「『基本方針』に反するものであり、認められるものではないことを、すべての本学学生に対してあらためてここに告知し、入寮選考に応じたりすることのないよう注意喚起をおこなうものである」としている。文書は、川添信介副学長(学生担当理事)の名義だ。


京大はこれまでもホームページ上で吉田寮に関する文書(基本方針など)を掲載してきたが、関係者によると、内部ポータルサイトに掲載されるのは異例という。京都大学広報は9月10日、弁護士ドットコムニュースの取材に対して、「吉田寮に関する取材には応じられない」としながらも「9月末までに退去する想定で動いている」と強調した。


(弁護士ドットコムニュース)