トロロッソ・ホンダの活躍を甘口&辛口のふたつの視点からそれぞれ評価する連載コラム。レースごとに、週末のトロロッソ・ホンダのコース内外の活躍を批評します。F1第13戦ベルギーGPとイタリアGPを、甘口の視点でジャッジ。
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F1第13戦ベルギーGP&第14戦イタリアGPという、最もパワー感度が大きい連戦で、トロロッソ・ホンダは力強い走りを披露した。しかも、ライバル勢が新しいスペックを投入してくる中、ホンダだけがこの2連戦で新スペックのパワーユニットを投入していなかった。
まずベルギーGPではピエール・ガスリーが9位に入賞した。14位に終わったブレンドン・ハートレーも、ケメル・ストレートで一度オーバーテイクされたフェラーリPUを搭載するマーカス・エリクソンのザウバーを抜き返すなど、ストレートで一歩も引かない戦いを演じていた。
イタリアGPでは予選でガスリーがQ3に進出した。昨年もホンダはイタリアGPでストフェル・バンドーンがQ3に進出しているが、これは昨年のイタリアGPの予選が激しい雨に見舞われて、2時間半以上にもわたって中断した後にウエットコンディションで行われていたことが大きく関係していた。ドライコンディションで行われた2015年と16年のイタリアGPの予選では、フェルナンド・アロンソの13位が最高で、いずれもQ2どまり。ホンダにとってイタリアGPは鬼門だった。
それが今年のイタリアGPではドライコンディションだったにも関わらず、ガスリーがQ3に進出。チームメイトのハートレーはQ1落ちしたが、その差は0.046秒と接近した戦いを行なっていた。
■アゼルバイジャンGPでの苦い経験を克服
新スペックを投入する場合のひとつの目安が、約30馬力の性能向上である。10馬力で約0.2秒の向上すると言われているので、ホンダは0.6秒程度のハンディを背負っていたこととなる。それでもこの高速2連戦で互角の戦いを演じることができたのは、エネルギーマネージメントを最適化し、持てる力を最大限発揮したからだろう。
例えば、イタリアGPが行われたモンツァでは、パワーユニットのパワーも大切だが、いかに他車のトウ(スリップストリーム)を上手に使用するかが重要となる。トウを使用するかどうかでラップタイムがコンマ5秒も変わるからだ。
そして、このトウにつくためには、コーナーの立ち上がりでしっかりと電気エネルギーを使って、前を走るマシンとの差を一定に保たなければならない。モンツァでは、ホンダはこのエネルギーマネージメントを予選でしっかりと行っていた。
レースでのエネルギーマネージメントは、今年のアゼルバイジャンGPでうまくいかなかったという苦い経験があった。しかし、イタリアGPではセーフティカー明けの再スタートで、ガスリーがルノーPUを搭載するフェルナンド・アロンソに並びかけたのである。残念ながら、アロンソのアグレッシブなブロックによって、ガスリーはオーバーテイクできなかったが、レースでのエネルギーマネージメントに関しても、改善していた。
新しいスペックを見られなかったのは残念だが、ホンダが現行のパワーユニットの勘所を押さえた戦いを演じていたことを確認できた高速2連戦だった。
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トロロッソ・ホンダ辛口コラム ベルギー&イタリアGP編:パフォーマンスは上々も、ランキング争いでは苦しい結果に