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上戸彩は一体何を企てているのか? 『絶対零度』桜木泉の“謎”を検証

2018年09月10日 06:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 第6話の田村(平田満)の自殺で前半パートの幕を下ろした『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジテレビ系)が、いよいよ最終回を迎える。本作では1話完結の事件も取り扱いながら、いくつもの伏線からなる縦軸の物語も見どころの一つであった。その中でもとりわけ桜木泉(上戸彩)の存在は、随所で影を落としてきただけに、多くの視聴者が注目するポイントである。そこで、これまでの桜木にまつわる謎を振り返りつつ、彼女の作中での存在を検証していこう。


参考:どちらを選んでも後悔する“正義の選択” 『絶対零度』上戸彩登場で物語は最高潮へ


 まず、そもそも桜木の失踪の“本当の理由”とは何なのか。ベトナムに向かい、何かの手がかりを見つけるべく捜査を進めていたとされる桜木。本作中では、ベトナムで何者かから追われているかのような描写があったりもして、焼死体として発見されたとの情報が伝わった。


 しかし実際には生存を続けており、未だに独自の活動を続けていたようだ。また、彼女が残したと思われるメモには“イザワノリト”の文字が記されており、どうやら桜木は井沢(沢村一樹)のことも何らかの形で調べていた節がある。そこで関係しているとされるのが、井沢の暗い過去である。


 井沢はかつて自分の家族を殺害されており、そのこともあってか、時折、井沢は闇に包まれた表情を浮かべる。そして、そんな井沢もまた桜木の動向を気にする場面が何度かあったのだ。例えば、東堂(伊藤淳史)と山内(横山裕)が桜木について屋上で会話している際も、物陰からその内容を伺おうとしていた。第9話の終盤ではついに井沢と桜木が対面。「あなたが桜木泉さんですね」と井沢が話しかけると、井沢に銃を突きつけた桜木。桜木は井沢の何を知ろうとし、なぜ井沢に銃を突きつけたのか。2人にまつわる謎は混迷を深める。


 さらに言えば、桜木は井沢だけではなく、井沢が所属している資料課の実態も何か気にしている様子であった。ここでカギを握るのは元警視正の長嶋秀夫(北大路欣也)。長嶋と言えば、これまでの『絶対零度』シリーズにも出演し、長らく桜木のことを気にかけてきた人物である。


 そんな長嶋は、第8話で久しぶりに登場して、井沢や山内らとの接触を行った。ただ、どうやら長嶋は資料課の実態を知っているかのような節があり、井沢と面会したシーンでも、そのことを仄めかすようなところがあった。第8話の終盤では電話で誰かと話していた長嶋。資料課はやはり別の顔を持っていることを伝えている。そしてその後、彼は電話口にむかってこう呟いた。「それで、これからどうするつもりだ、カメ?」と。カメとは桜木の異名であることから、おそらく長嶋と桜木は今でも繋がっているのだろう。


 ちなみに、第9話のラストシーンでは、拷問を受けたあとの山内を、桜木はそのまま置いてその場を去ろうとしていた。桜木と山内は当初は、信頼しあう間柄に見えただけに、桜木の行動は様々な憶測を呼ぶわけであるが、とりあえず山内を置き去りにしてでも成し遂げようとしていたことがあったのだろう。次回予告では、桜木がミハンによって犯罪を起こしうる人物として探知されたかのようなシーンがあった。もしそれが本当ならば、一体桜木はどんな犯罪を企てているのだろうか。桜木の失踪、井沢の闇、そしてミハンの未来。これらすべての謎が解き明かされるのか、それとも謎が謎を呼んで終わってしまうのか。(國重駿平)