メルセデスF1トップのトト・ウォルフは、現在のドライバー市場のなかでも、特にエステバン・オコンが置かれている状況についての考えを明らかにした。
メルセデスの支援を受けているオコンは、現在レーシング・ポイント・フォース・インディアでセルジオ・ペレスとともにレースに参戦している。
しかしペレスが2019年もシートを確保すると見られている一方で、オコンはランス・ストロールにシートを譲ることになると考えられている。ランスの父親のローレンスが、7月にチームを買収して破産から救っているからだ。
そのためオコンは新たなレースシートを探さねばならないが、2019年に向けての選択肢は減り始めている。
「ドライバーについての状況は非常に錯綜している。エステバンについては、ルノーと契約できるものと思われた。だが、たった48時間の間に状況が変わった」とウォルフはモンツァで述べた。
ウォルフは、ダニエル・リカルドがレッドブルを離れてルノーワークスチームと契約を選ぶという、夏の間のショッキングなニュースについて言及した。
その発表があるまでは、オコンがルノーのシートの最有力候補だと見られていた。彼はメルセデスのジュニアドライバー育成プログラムに加入する以前、ルノーのサポートを受けてモータースポーツのキャリアを開始している。
「合意は突如として、もはや合意ではなくなった。だがルノーがリカルドを迎えた理由は理解できる」とウォルフはため息をつく。
「状況はエステバンにとって理想的なものではなかった。タイミングの問題や不透明なコミュニケーションのせいで、能力のあるあのような若者が来年に適切なシートを見つけられないのだとしたら、非常に残念なことだ」
「彼はドライブできるし、人柄も素晴らしい。最終的にはレースで勝てるマシンを与えられ、タイトルを獲るかもしれない。私は彼について、長期的にはいまだに非常に楽観的な見方をしている」とウォルフは付け加えた。
ウォルフが前向きな見方をしている一方で、オコンのキャリアは、もうひとりのメルセデスの傘下ドライバーであるパスカル・ウェーレインと同じ道をたどる恐れがある。ウェーレインはマノーとザウバーのドライバーだったが、ザウバーがフェラーリとの結びつきを強化したためにチームから放出され、メルセデスの支援を受ける彼にはもはや行き場がなくなってしまった。
2019年にグリッド上で新たな場所を見つけられなかった場合、オコンにも同じことが起こり得る。
ストロールとオコンの二者間でシートを交換することになれば、オコンはウイリアムズに入ることになるが、それは直近の2戦で6位に入賞しポイント獲得を果たしている21歳の彼にとっては後退となるだろう。
そこでもオコンは、もうひとりのメルセデス傘下ドライバーであり、現在F2首位のジョージ・ラッセルとシートを争うことになる。また、ウイリアムズのテスト兼開発ドライバーのロバート・クビカもフルタイムのドライバーシートの候補だ。
しかしオコンは、そのうちに何かが決まると確信しているようだ。
「現時点で分かっているのは、僕はメルセデスのサポートを受けているということだ。彼らが助けてくれているし、来年も僕がシートを獲得できるように全力で解決策を見つけてくれるだろう」と彼は主張した。