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『リグレッション』監督、イーサン・ホークを語る 「いつもジョークを言っている、面白い人でした」

2018年09月09日 11:02  リアルサウンド

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 9月15日に公開される映画『リグレッション』より、アレハンドロ・アメナーバル監督のコメントが公開された。


参考:イーサン・ホーク&エマ・ワトソン、巨大な陰謀に翻弄される 『リグレッション』場面写真&予告編


 『アザーズ』のアメナーバル監督がメガホンを取った本作は、1990年のアメリカ・ミネソタ州が舞台のサスペンス。刑事のブルース・ケナーは、父親の虐待を告発した少女・アンジェラ・グレイの事件を取り調べる。驚くべきことに、訴えられた父は、記憶がないにも関わらず罪を認め、ケナーは著名な心理学者の協力を仰ぐことに。アンジェラの記憶をたどりながら事件の真実を追うケナーは、やがてこの町に秘められた恐るべき巨大な闇に迫っていく。イーサン・ホークが刑事のブルース・ケナー、エマ・ワトソンが父親の虐待を告発した少女アンジェラ・グレイを演じる。


 アメナーバル監督は、かなり前からホークと仕事をしたいと思っていたそうで、「脚本を彼に送り、その後すぐに彼と面会しました。まず彼が私に言ったことは、つい最近2本のホラー映画に出演して2本とも作品としては良かったけれども、ホラーというものには特に愛着を持てないということでした。なぜなら、観客を怖がらせるということに彼はピンときていなかったからです。映画というものは、人々が抱く恐怖を取り除くものであるべきだと彼は思っていたのです。正にそこが、彼がこの脚本に興味を持った点だったようです」と、ホークが本作に興味を持った理由を明かす。


 さらに、アメナーバル監督は「彼のキャラクターは、真実を理解するために恐怖を乗り越えなければなりません。しかし同時に彼は、彼の演じるキャラクターを明確に定義づけすることに大変苦労していました。なぜなら、私は彼にあまり情報を与えすぎないようにしていたので、このキャラクターはどのような人物なのかと彼は疑問を投げてきたのです。そこで私は彼に、このキャラクターはいったい何者なのか、彼が自分の人生をどのようなものにしようとしているのかを観客のために明確にせず、一緒に探っていこうと挑戦状を出しました。結局そこに、彼は楽しみを見出したのではないでしょうか」とホークについて言及。「実際の彼は、とてもミステリアスなエナジーを持っていて、若々しくて、いつもジョークを言っている、面白い人でした」と、ホーク自身の人柄についてもコメントした。


 また、ホークが演じたケナーについて、「撮影当初、イーサンが、これは眠っている男の物語だと言ったんですが、私は『いや、これは永久に眠らず、誰も彼の能力を超えることができない男の物語なんです』と答えました。これで、イーサンは町で誰よりも頭が良い刑事なのに、いつも夢遊病のように生きているというキャラクターを築き上げることができたんだと思っています。イーサンの演技で何より驚いたのは、きわめてタフだけれど本当はおびえていて、内面に潜む押さえつけたパワーを表現していたことです」と、彼の役作りの裏側を明かした。(リアルサウンド編集部)