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関口と可夢偉の0.02秒差のポールバトル。山本、石浦はまさかのQ2脱落/スーパーフォーミュラ第6戦岡山予選

2018年09月08日 18:01  AUTOSPORT web

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スーパーフォーミュラ第6戦岡山でポールを獲得した関口雄飛を祝福する2番手に小林可夢偉
全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦の公式予選が9月8日、岡山国際サーキットで行われ、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が今季初のポールポジションを獲得。一方、タイトル争いを展開する山本尚貴(TEAM MUGEN)と石浦宏明(P.MU/CERUMO·INGING)はQ3進出を逃す波乱の予選となった。

 この日は朝から雨模様。スーパーフォーミュラの予選は、雨粒が落ちていないもののフルウエットの路面コンディションのなかで始まった。今大会では、WEC世界耐久選手権参戦を優先し、前戦もてぎを欠場していた小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)、中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)が復帰している。

■Q1:福住、無念の予選。Q1で姿消す

 予選開始時点での気温は21度、路面温度26度。各車、水しぶきを上げながらファーストアタックに挑んでいく。しかし予選Q1開始直後、朝のフリー走行でトップタイムをマークしたトム・ディルマン(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)がダブルヘアピンひとつめでタイヤバリアに突っ込み、マシンを止めてしまう。ほぼ同時に、1コーナーでは福住仁嶺(TEAM MUGEN)がグラベルにつかまり、マシンを停止。ここで赤旗が提示され、セッションは一時中断となる。

 ディルマン、福住は自力でピットまで戻れなかったため、ふたりの予選はここで終了を迎えることになった。前戦の決勝レースでは序盤の接触により不本意な結果に終わった福住。福住はすぐにその場を離れず、マシンを見つめる姿が場内放送に映し出されていた。

 マシン回収のため約15分の中断ののち、セッションは残り約16分で再開。アウトラップから1周目でトップタイムをマークしたのは、前戦もてぎウイナーの石浦。石浦はその後ピットにマシンを戻し、ウエットタイヤのユーズドタイヤからニュータイヤに履き替えたとの情報が入っている。

 その間、平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がトップタイムを更新し、トップに浮上する。Q1セッション残り約5分時点で、ポイントランキングトップのニック・キャシディ(KONDO RACING)がいまだQ1脱落ゾーン。

 終盤に入り、塚越広大(REAL RACING)がタイムを一気に更新し、2番手に浮上する。続いてキャシディも大幅にタイムを詰め、塚越に代わり2番手につけた。

 しかしトップは平川で変わらないまま、ただひとり1分26秒台でQ1通過を決める。2番手にはキャシディ、3番手に塚越。4番手には終盤にタイムを更新した可夢偉が浮上した。

 石浦は6番手でQ1進出を決めた一方、タイトル争いを展開する山本尚貴(TEAM MUGEN)はなかなか上位タイムをマークすることができず、ノックアウトゾーンぎりぎりの14番手。なんとかQ1脱落から踏みとどまった。

 Q1で姿を消したのは伊沢拓也(TCS NAKAJIMA RACING)、一貴、千代勝正(B-MAX RACING TEAM)。そして序盤にセッションを終えた福住とディルマンだ。一貴は最後までタイムを更新することができず、16番手から明日の決勝を迎えることになった。

■Q2:タイトル争いを展開する山本、石浦がまさかのQ2敗退

 Q2セッションも、セッション開始3分前からピットレーンにマシンが並び、グリーンシグナルを待つスタートに。開始直後は序盤から平川のQ1トップタイムを更新し、1分25秒548で1番手に浮上したのは可夢偉だった。その可夢偉に、序盤は野尻、関口が続く。

 続々とタイムが更新されていくなか、8番手につけていた石浦だったが、チェッカー後にタイムを縮めたチームメイトの国本雄資(JMS P.MU/CERUMO・INGING)が順位を上げたことにより9番手に後退。同じく山本も8番手以内に入ることができず10番手にとどまり、ランキング2番手、3番手のドライバーがQ3進出を逃す波乱の展開となった。

 このセッションを制したのは、1回のアタックで見事にトップタイムをマークした可夢偉。そして平川、野尻が続き、キャシディは4番手でQ2通過。

 石浦、山本とともにQ2敗退を喫したのは大嶋和也(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)、松下信治(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、ジェームス・ロシター(VANTELIN TEAM TOM’S)、ナレイン・カーティケヤン(TCS NAKAJIMA RACING)となった。

■Q3:ラストアタックを決めた関口がポールポジション獲得

 今大会のQ3は2回のオーバーテイクシステムの使用が認められており、どのタイミングでそれを使うのかも注目された。Q3になると路面状況も次第に回復傾向。それでもまだドライタイヤは難しい状況で、全車ウエットタイヤで出走した。

 まずターゲットタイムをマークしたのは塚越で、2回のオーバーテイクシステムを使用し1分5秒429を記録している。野尻がそのタイムを更新するが、さらに可夢偉が1分24秒466をマークしトップに浮上。

 このまま可夢偉がポールポジション獲得なるかと思われたが、関口がアウトラップから3周目にアタックし、チェッカー後に1分24秒446と可夢偉のタイムをわずか0.02秒更新してみせ、見事、今シーズン初めてとなるポールポジションを獲得した。1分24秒台のタイムをマークしたのは、関口と可夢偉だけだった。また、3番手には関口のチームメイト、平川が続いている。

 ランキングリーダーとして岡山に乗り込んできたキャシディは最後にタイムアップして5番手を獲得。決勝レースを3列目から迎えることになった。

 決勝レースは明日9月9日、14時5分から68周で行われる。明日も天候が心配されるため、予選同様に一筋縄ではいかないレースとなりそうだ。