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銚子電鉄、発売1カ月「まずい棒」効果で売上500万円アップ「自虐PRまだまだいくよ!」

2018年09月08日 10:42  弁護士ドットコム

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銚子電鉄(千葉県銚子市)が売り出した「まずい棒」の勢いがとまらない。厳しい経営状況であることを自虐的に表現したスナック菓子だが、発売から1カ月が経っても品薄状態が続いている。竹本勝紀社長は「一過性の話題として終わると思ったけど、想像以上の盛り上がりでびっくり」。年度内に30万本を売り切る目標を明らかにした。


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●売り場、開店前から行列…即完売

9月上旬、税理士ドットコムトピックス編集担当者が銚子電鉄仲ノ町駅にいる竹本社長を訪ねると、その横には二つのダンボール箱に大量に詰められたまずい棒の束。「ようやくこれだけの量が入荷したんです」と竹本社長はホッとした表情を見せた。


当初目標としていた3万本は既に8月中に売り切れた。店頭に並べると即日完売で、売り場としている銚子電鉄犬吠駅と土産店「ぬれ煎餅駅」(ともに銚子市内)には、開店前から行列ができることもあったという。売り場の女性は「銚子でしか買えないので、他の地域に住む親戚から買って送ってほしいと頼まれていたお客さんもいました」と話す。


爆発的な売れ行きをみて、年度内の製造本数を30万本に上方修正。すべてではないにせよ、まずい棒を買いにくる客が銚子電鉄に乗ったり、ぬれ煎餅などの他の商品もあわせて購入したりすることで、銚子電鉄の8月の売り上げは通年より500万円も上振れた。竹本社長は「とは言っても経営は赤字なので、赤字幅の縮小に寄与したということです」と謙遜する。



●取材殺到、NHKは夕方情報番組で全国に紹介

まずい棒について税理士ドットコムトピックスが伝えたのが今年6月16日。以降、別メディアによる取材が続き、新聞・テレビ・雑誌などによる取材は30媒体ほどにまで伸びた。


千葉県内のローカルニュースにとどまらず、NHKが夕方の情報番組「シブ5時」(8月24日)で特集するなど、近年にはないほどメディアの食いつきがいい。手応えの大きさに、「銚子電鉄の社員の表情が以前よりも明るくなったように感じる」(竹本社長)という。


まずい棒は、9月から銚子電鉄ホームページ(http://chodenshop.com/ )でネット注文もできるようになった。関連商品として、まずい棒のデザインをあしらったTシャツや缶バッジもそろえた。youtubeには特製PVを投稿(https://youtube.owacon.moe/channel/UCt7YqUhmuzds7V1EszI0PbA )。この勢いをさらに伸ばそうと積極的なPRを続けている。


年内には、10月に日比谷公園(東京都千代田区)で開かれる「鉄道フェスティバル」でのまずい棒出張販売を計画し、年明けには現在のコーンポタージュ味とは違う第2弾の新たな味を出すことも模索している。竹本社長は「まだまだ、いけるとこまで頑張ります」。税理士事務所を経営しながら、銚子電鉄の社長としても汗をかく竹本社長のエネルギーはどこからくるのか。今回の取材でも驚かされた。


<まずい棒>価格は1本50円(税込)で、まとめ売りなら15本セットで600円(同)


(取材:弁護士ドットコムニュース記者 下山祐治)早稲田大卒。国家公務員1種試験合格(法律職)。2007年、農林水産省入省。2010年に朝日新聞社に移り、記者として経済部や富山総局、高松総局で勤務。2017年12月、弁護士ドットコム株式会社に入社。twitter : @Yuji_Shimoyama


(弁護士ドットコムニュース)