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食用油で作る簡易ランプ、災害時に本当に使えるのか 1時間以上燃え続けたが扱いには注意が必要

2018年09月08日 09:51  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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2018年は台風や豪雨などの自然災害が相次ぎ、停電に見舞われるところも多かった。停電になり、携帯電話の充電もままならない時はどうやって灯りを確保すればいいのか。警視庁警備部災害対策課は昨年8月、懐中電灯を入れたコップの上にペットボトルを置いたり、ツナ缶に差し込んだ芯に着火したりすればいいと紹介していた。

さらにもう1つ紹介されていた方法がある。耐熱のグラスに油を入れて、キッチンペーパーで作った芯をアルミホイルで固定。芯に火を灯すというものだ。この方法は実際に使えるのか。編集部で試してみた。

ただし地震発生直後は余震やガス漏れの可能性があるため、火を使うこの方法には危険が伴う。東京都が作成した冊子「東京防災」でも、地震直後のNG行動として火を使うことが挙げられている。

必要なものは耐熱グラス、サラダ油、キッチンペーパー、アルミホイル、ライター

用意するものは耐熱のグラスとサラダ油、キッチンペーパー、アルミホイル、ライターの5つ。いずれも家庭に常備されているか、簡単に手に入るものばかりだ。

まずはグラスに適当な量の油を入れる。警視庁ではサラダ油を使っていたが、今回の実験ではべに花油を使用した。次に、キッチンペーパーを半分に折ってから丸めて、芯を作る。キッチンペーパーは1枚か半分程度で十分だ。

もし大きな火を灯したければ、キッチンペーパーの枚数を増やし、芯を太くすればいい。ただその際には、グラスの大きさも大きくする必要があるだろう。筆者(編集部N)は初め、ペーパー2枚を重ねて作った芯に着火したところ、グラスに対して火が大きくなり、不安になって消火してしまった。今回の実験では結局1枚で芯を作っている。

アルミホイルを丸めて紐状にしたものを芯の両側から巻き付け、コップに固定する。筆者は不器用で警視庁が投稿していた画像のようにはできなかったが、固定さえできれば問題ない。

芯をセットし、キッチンペーパーがサラダ油を吸い上げるのを待っていたが、10分経ってもサラダ油は上まで染み込んでこなかった。そこで仕方なく、芯の上下を逆にして、再度セット。

ライターで着火すると、かなり勢いよく燃え始めた。警視庁が投稿していた写真とはかなり様子が違う。屋内でやる際には注意が必要だ。

ただ5分もするとアルミホイルで固定している部分まで火が到達。みるみる勢いが弱まっていった。このまますぐに燃え尽きてしまうのかと心配になったが、その後も黒焦げになった部分が1時間以上、安定して燃え続けた。停電時の灯りとしては、かなり使えそうだ。

また火に近いグラスの上部はかなり熱くなっていたが、下部はそれほど熱くなっておらず、問題なく移動させることができた。

ただ火と油を使っているため、間違って倒したりしないようにしたい。周囲に燃えやすいものがないか、グラスは安定した場所に設置できているのか注意が必要だろう。懐中電灯があるのならそちらを使った方が良さそうだ。。