9月21日公開の映画『食べる女』のイラストが公開された。
同作は、筒井ともみによる「スローフード・スローセックス宣言」を掲げる短編集『食べる女 決定版』を映画化したもの。年齢、職業、価値観の異なる8人の女性が、それぞれに悩みを抱え、自分にとっての幸せを模索していく様を描く。
今回公開されたのは、マキヒロチ、進藤やす子、山科ティナが映画を鑑賞して描き下ろしたイラスト。マキヒロチは、沢尻エリカ演じるドドとユースケ・サンタマリア演じるサラリーマン・タナベの食事シーン、進藤やす子は、小泉今日子演じるトン子がシャーロット・ケイト・フォックス演じるマチを激励する様子、山科ティナは、鈴木京香演じる美冬が女将を務める「道草」に一同が集まり食事する場面をそれぞれ描いている。
マキヒロチは「若い頃は孤食が好きで、一人で食事をしている自分の姿もなんだか強い女性のようで好きだった。だけど歳をとって、食事を共にする誰かの一言や知識が料理の経験値を深めてくれたりすることや、美味しそうに食べる相手の顔が更に食事を美味しくさせてくれることに気づいた。仕事と一人の時間をこよなく愛すドドが、偶然タナベと出会い食事をするようになって、誰かと食事をすることの尊さや安らぎを知って行く。最初は強張っていたドドの表情が、食事とお酒とタナベの眼差しによって優しい表情にほころんでいくシーンが、かつての自分とリンクして温かい気持ちになる」とコメント。
「ちょっとだけでいい、手をかけたご飯は心を和らげるのを気づかせてくれる映画だった」と語る進藤やす子は「この映画に出てくる‘東京の街をふわりふわりと漂う自由で孤独な女たち’は、シュッと美しい工業製品ではなく、どこか歪んだ手作りの物のようだ。でも手作りの物は代え難い味わいがある。そんなちょっといびつな彼女たちが、ふくふくと描かれているのが、なんだか、良い。だから見終わった後は暖かい気持ちになる。私も人の物差しで測ったりせず、自分に正直な『食べる女』でありたい」と述べている。
さらに「女に生まれて、東京で生きて、年齢のこと、男のこと、『美味しいもの』を美味しいと感じられない夜がある」と語る山科ティナは「『食べる女』で描かれた女たちはみんな年齢も違えば、性格も、仕事も、生い立ちも、抱えている孤独も、幸せだと感じる事柄も、すべて個性的で、みんなバラバラだ。けれど一つだけ、共通する幸せがある。いたってシンプルで力強いメッセージが私たちの背中を押してくれる。私たちは自分の手で幸せになれる。そうして観終わった頃には、物語の前半で感じていた呪縛が気付かぬうちに解き解かれている」とコメントを寄せている。