2018年のWRC世界ラリー選手権に3台のトヨタ・ヤリスWRCを投じているTOYOTA GAZOO Racing WRT。チームが挑む次なる戦いは9月13~16日に行われる第10戦トルコ。今シーズンから復活開催となる1戦だ。
第8戦フィンランド、第9戦ドイチェランドでオット・タナクが連勝を飾り、勢いに乗っているトヨタ陣営。迎える第10戦のラリー・トルコは2010年以来にWRCカレンダーに復活するイベントで、2017年にWRC復帰を果たしたトヨタ陣営に新たな挑戦となる。
ただ、2010年までのラリー・トルコが同国北西部などを中心に行われていたのに対し、今年は地中海に面したマルマリスが中心となる。そのためトヨタだけでなく、ヒュンダイやMスポーツ・フォードといったライバルチームにとっても未知の戦いとなる。
そのため、ラリー・トルコでは全チーム、全ドライバーがゼロからペースノートを作らねばならず、事前のレッキ(下見走行)でどれだけ正確なノートを作れるかが勝負を分けることになりそうだ。
ラリー・トルコ自体はグラベル(未舗装路)で争われる1戦。中心となるマルマリス周辺の路面はスムーズだが、山岳地帯には石や岩が多く、タイヤには厳しい路面コンディションとなる。
イベントの中心となるサービスパークは地中海に面するマルマリスから少し内陸にあるアスパランに設定された。競技は13日(木)にマルマリス市街地でのセレモニアルスタート後のSS1で開幕する。
競技2日目の14日(金)はSS2~7、競技3日目の15日(土)はSS8~13、最終日の16日(日)はSS14~17が行われる。4日間合計で全17SSが行われ、合計距離は312.44km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は875.34kmだ。
■「ラリーで直面するであろう状況、特に高い気温には備えができたと思う」とマキネン
チームの指揮を執るトミ・マキネンは「直近2戦の結果は素晴らしく、もちろんその好調を維持するのが今回の目標だ」と自信を覗かせる。
「しかしトルコはすべてのチームにとって初めてのラリーであり、知らないことが多くある」
「私は初めてトルコでWRCが開催された2003年の大会に出場したが、コンディションは非常に厳しく、路面はかなり荒れていたことを覚えているよ。ただし今回は違うエリアでの開催となるため、一体どのようなコースなのか正確には分かない」
「我々はできる限りの準備をしてきたし、先週はポルトガル南部で成功裏にテストを終えた。我々がラリーで直面するであろう状況、特に高い気温に対する備えができたのではないかと思っているよ」
2連勝を飾り好調を維持しているタナクは「直近2戦のいい結果にはもちろん満足しているけど、それでも依然1戦、1戦が勝負だ」と述べている。
「ラリー・トルコに対するノウハウはあまりないため、どのようなラリーになるのか予想できない。荒れた路面での戦いになるだろうと言われているけど、実際どうなのかはレッキをすれば分かるだろう」
また、ヤリ-マティ・ラトバラは「完全に新しいWRCイベントに向けた準備は数年ぶりだ。新たにペースノートを作ったり、コースの特徴に対する知識が充分ではなかったり、同じステージを2度目に走る時に路面がどう変化するのかなど、未知なることばかりだ」とコメント。
若手のエサペッカ・ラッピも「今のところ、早い出走順でルーズグラベルで覆われた路面を走るのがあまり得意ではないから、それを改善したいと思う」と意気込みを語っている。