マクラーレンF1チームの元スタッフ、ホアン・ビラデルプラットは、現在のマクラーレン経営陣は支持できないと語り、CEOのザック・ブラウンについて「力量に欠ける」と評した。
ビラデルプラットは、ロン・デニスが率いていて全盛だった初期のマクラーレンでメカニックを務めていた。その後はフェラーリ、ベネトン、プロスト・グランプリとF1チームを移籍するにつれて、チーフメカニック、オペレーションズディレクターと順調にキャリアを重ねていった。
チームの現状を見たビラデルプラットは、自分がかつて在籍していたマクラーレンが、当時の栄光を取り戻せるのかどうかは疑わしいと感じている。
「私はマクラーレンの誕生を見た。ロン(・デニス)とともに参加した最初期メンバーのひとりなのだ」と、ビラデルプラットはEl Confidencialに語った。
「マクラーレンの成長を見てきた。そしてまた、その逆も見てきた。今のマクラーレンは困難な時期を歩んでいる。そして私は時に、チームが現在進んでいる方向がまったく信じがたいと感じることがある」
「彼らが苦境から抜け出せるかどうかは、はなはだ疑問だ」
現在63歳のビラデルプラットからは、今のマクラーレンが迷走しているように見えている。2016年シーズン終盤にロン・デニスが解任され、何人かのスタッフたちが追放されて以降、チームがまったく優勝者を出せていないこともその一因のようだ。
「マクラーレンで改革が始まったとき、経営陣はロン・デニスに忠実なスタッフたちも一掃すべきだと考えた」とビラデルプラットは言う。
「だがそこで排除されたのは、強いマクラーレンを維持するための本質は何かを知り、長年にわたりそのやり方を理解していた人々だったのだ。チームの競争力が低下したシーズンがあったとしてもだ」
「ロン・デニスは再び勝利する方法を模索していた。勝つためには、実際に勝った経験を持ち、そのノウハウを持っていなければならない。今のマクラーレンにいる人たたちが、勝つことを知っているとは思えない」と彼は付け加えた。
「私から見ればブラウンはその力量に欠けており、いまだ学んでいる段階だ。もちろん優秀なスタッフはいるし、チームは大きな可能性を秘めてもいる。だが彼らには資金もなければ、現時点で必要なことが何かも見えていないのだ」