中上はミサノで亡き友に健闘を誓う
第13戦サンマリノGPの走行を翌日に控え、LCR Honda IDEMITSUの中上貴晶はいつも以上に士気を高めてミサノサーキットに乗り込みました。このサーキットでは、2010年のMoto2クラス決勝レースの際に、中上の親友である富沢祥也選手が不幸なアクシデントにより逝去するという悲しい出来事がありました。この日のことを中上は今も鮮明に記憶しています。
少年時代からの良き友であり良きライバルを亡くした中上は、レースを続ける意味を見いだせなくなりましたが、富沢選手のご家族に励まされ、ふたたびレースへの情熱を取り戻したのでした。MotoGPライダーとしてミサノへ戻ってきた中上は、前回のイギリスGPがキャンセルされて走行できなかった分も、今回のレースで思う存分にライディングし、今は亡き親友に好結果を捧げる決意を固めています。
Takaaki Nakagami
「祥也とは、お互いに5~6歳の頃からポケバイで一緒に走ってきた間柄です。激しいバトルをして、表彰台に一緒に登壇したことも何度もありました。祥也は僕にとって最高の親友で最強のライバルです」
「2010年にここミサノで、祥也がレース中のアクシデントにより命を落としたときは、気持ちが真っ暗になり、自分自身も将来的にレースを続けていく意欲がなくなってしまいました。しかし、祥也のご家族が、レースを続けるべきだ、と励ましてくださったおかげで、ふたたび前向きな気持ちになることができました」
「ここミサノは相性のいい得意コースで、過去にもいいリザルトを残せています。優勝こそありませんが、2位と3位は何度も獲得しました。祥也がいつも特別なパワーをくれるこのミサノで、明日から力の限り思いきり走ります」