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地方路線、小型化で収益性保つ 大韓航空、金正洙日本地域本部長【一問一答】

2018年09月07日 14:11  TRAICY

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大韓航空の金正洙(キム・ジョンス)日本地域本部長は、7月25日に羽田空港で開いた「東京~ソウル就航50周年記念式典」で、報道陣の囲み取材に応じた。以下、一問一答でお送りする。

金正洙日本地域本部長は、1989年に大韓航空ソウル旅客支店に入社。ソウル本社旅客営業路線部、日本地域本部旅客マーケティングチーム、ソウル本社旅客営業路線本部、韓国地域本部マーケティングチーム、札幌支店管理部長、大阪旅客支店支店長、ソウル本社旅客路線営業部ネットワークセンター日本パート長を経て、2016年に日本地域本部長に着任した。

ー50周年おめでとうございます。日韓の路線の旅客の比率はどれくらいでしょうか?

今は韓国の方が70%くらい、日本側が30%くらい。2011年、12年、その時は反対だったんですね、日本側が70%、韓国側が30%。それが政治やいろんなことによって逆転して今は7対3です。

ー総数としてはどうなんでしょうか。

2012年が520万(人)。今は1月から6月まで、18%くらい伸びている、今年は総合で1,000万以上は遥かに超えると思います。

ーキャパシティ的にはどうなんでしょう?

結局LCCという航空会社がいるからお客さんにとってはいい選択肢になっている。そういう面ではキャパシティはあんまり問題はないと思っています。

ーまだまだ現状の路線数でもう少し取り込める余地はあるということですか?

それはありますね。需要の動向による。結局日韓線は羽田以外は誰でも入れる。需要だけあればどこでも何便でも入れる。

ーそれは仁川から?

金浦からはちょっと(難しい)。金浦~羽田のところは制限があります。仁川からはどこでも(乗り入れることができる)。

ー韓国側は金浦、日本側は羽田が制限されている?

制限されている。仁川、札幌、釜山、成田、それはもう関係ない。

ー今後の供給の調整の仕方についてはエクストラやチャーターのフライトで増やしていく?それとも定期便を増やすイメージですか?

結局需要のところによりますけど、時々単体の需要とか、夏休み、冬休みのところで需要が発生すればそれはチャーターベース、不定期ですね。需要が本当にあるところは定期便で。まだ予定はないんですけど、大韓航空だけではなくて、韓国の会社がそういう風に思っていると思います。

ー現状の日本路線の状況を見ていて、定期便の増便路線の検討に上がっているようなところはありますか?

今はない。

ーもう一つ機材についてなんですけど、日本路線の導入機材、現状の特徴と今後の方向性は。

今は大型機、中型機で飛んでいますけど、結局短距離路線だからメインとしてどこかに入れてその間のところで入れる。ほぼ(韓国の)キャリアはそうなるようにたぶん運営しているんですね。日本路線も重要ですけど、日本側になにか良い機材ばかり入れて、それは出来ない状況だからある程度確実なものを考えて、入れるかどうか。今大型機、中型機、小型機は入っているし、それとカナダ、ボンバルディア社製のCS300型機(エアバスA220-300型機)の新しい機材を今年11月から釜山から成田、名古屋、福岡、札幌の4路線に入れる予定です。127席の小型ですけど。

ーどちらかというと小型機の多頻度化というところに方向性としては向かっているという感じですか?

結局需要が1便で200(席)、300(席)以上いかないところ。その小さいもの(機材)である程度収益性を保ちながら、会社としても赤字にはいかず、収支を保つという考え方。

ー日本の路線はどちらかと中型機、小型機が適しているということ

地方路線は。東京、大阪、名古屋、福岡は大型(機)。それ以外の小松、青森、鹿児島。鹿児島は季節によって大型(機)も入りますけど、新潟とかの地方路線は250(席)以上のものは厳しいんです。それで大型機でも180(席)以下のものであれば、それと127席のCS300という物も入っても充分お客さんの搭乗には問題がない。市場の大きさを見ながらやるべきだと思いますね。

ー首都圏、幹線になるような東京、名古屋、大阪線では基本的に(ソウル)仁川線は大型機の方針ですか?

そうですね。250(席)以上の、東京は羽田も今(エアバス)330(型機)が入っているから。地方によっては中型から大型(機を入れる)。

ー東京~ソウル50周年という節目を迎えられて次の50年、この先を考えていく上で日本事業の課題はどういうところを捉えていて、その課題解決のために何が必要でしょうか。

結局短距離ってLCCが飛べる短い路線なんですね。長距離の需要だったら3時間以上のところはちょっとLCCの前と横の幅が小さいところが苦しくなる。その面では短距離の東京、日本路線はLCCでも十分対応ができると思います。それと結構競争が激しくなる。どう乗り越えるか、結局フルサービスキャリアの特徴を活かすしかないんですね。

例えばなにかイレギュラーが起こって飛行機が止まっているところで、LCCでは機材がないからすぐ対応ができない、フルサービスキャリアはできる。機内でのプロダクトの面でモニターがあるとかないとか、機内食がおいしいものが出せるかどうか。無料手荷物かそうじゃないか、結局サービス面を拡充していかないといけないと思います、短距離の路線は。そうしながらも需要があるところは更に何か増便するとか。何か悪くなってから減便をするのは、50年の歴史になりますけれど、両国を考えるとあんまり良いことではないという考えがあります。

ー双方交流で1000万人が見えてきているところで、一方で韓国からの日本へのインバウンドは順調に増えている。アウトバウンド、先ほど大使館の方もおっしゃっていましたけど、250万人というところで、その辺のアウトバウンド需要の活性化に向けて御社としての取り組みとかがありますか。

結局、大韓航空が持っているメリットは仁川からのビヨンド(以遠路線)の需要の強みを持っていることだと思っています。今年の1月に仁川空港第2ターミナルで、スカイチームの4社が中に入っていんですけれど、その4社が新しいターミナルで何か新しいことをやる、プラスいろんな環境づくりも素晴らしくなっている。それと乗り継ぎも45分で済む。そして523カ国以上、日本で飛んでいるものよりもたぶん多いと思いますね。それを活かして、ただの日韓だけではなくて、ビヨンドところで持っていくものがうちの役割だと思いますね。

ーこのところ事故が多発していますよね。2016年9月の羽田、今年の4月、先月(6月)は成田のインシデント。そこに対しての受け止め方はどうですか?結構厳しいとは思うんですけど。

そうですね。でもちゃんと何か、何故なのか、原因をいろんな面で分析してそれが再度起こらないようにちゃんとやるべきだと思います。整備面で何か足りなかったとか、人の何かが足りなくてそうなったとか、そういうシミュレーターがあって訓練はかなり厳しくやっていると思いますけど、そのレベルを超えたところで生じる物とか、整備という物はなかなかチェックは何か月ごとの周期はしているけれど、突発的に生じるものもあります。その生じるものは生じたとして、それ以降それをどうやって打開して、起こらないようにするかそれが本当に重要だと思います。

ー地方路線を先ほど小型化して収益化するというお話だったんですけど、他社さんだとLCCに置き換えたりというところが最近あると思うんですけど、そういう子会社に置き換えることは考えていらっしゃいますか?

まだですね。子会社(ジンエアー)として運航はしていますけれど、さっき申し上げたんですけど、フルサービスキャリアとLCCは客層が違うと思いますね。お互い入って競争する、でも客層が違うからフルサービスキャリアに入るお客さんは別。全体の需要はたぶん伸びると思いますよ。安く、10万ウォンでいける、その需要はLCCに入ると思いますね。でもこちらで行ける需要はいつもあると思いますから、それをどうやってバランスよく維持していくのか、そういうことをやりながら更に何か、フルサービスキャリアの特徴を維持しながらちょっとずつ伸ばす、それが重要だと思います。