フォルクスワーゲン・モータースポーツは2019年の本格デビューに向けて開発を進めているR5規定のラリーマシン、『フォルクスワーゲン・ポロGTI R5』を10月25~28日に開催されるWRC世界ラリー選手権第12戦スペインに投入すると発表。スポット参戦ながらシリーズにワークス復帰を果たす。
2013~16年の間、WRCにフォルクスワーゲン・ポロR WRCを投入し、セバスチャン・オジエとともにシリーズ4連覇を成し遂げたフォルクスワーゲンは、カスタマー向けラリー車として人気を博しているR5市場に参入するべく、新型車両の開発を進めている。
市販のポロGTIにWRCで培ったノウハウを詰め込んだというポロGTI R5は四輪駆動で最大出力272馬力を誇るマシン。開発テストではターマック(舗装路)とグラベル(未舗装)をあわせて1万キロ近くを走り込んでいるという。
すでにポロGTI R5は多くのカスタマーチームから興味を得ているとのことで、FIAホモロゲーション取得は2018年10月1日にもかかわらず、オーストラリアやベルギー、フィンランドなどのチームと計15台分の契約が成立しているという。
フォルクスワーゲン・モータースポーツを率いるスベン・スミーツは「開発部隊は懸命に作業を続けており、最高の結果を残し続けている。その証がカスタマーからの好リアクションだ」と自信を覗かせる。
また販売部門の指揮を執るジュリアン・グリュンドルも「ほぼすべてのチームが2019年に向けて明確な参戦プランを立てているから、彼らにポロGTI R5を託す瞬間が待ち遠しい」と述べている。
■スペイン戦でフォルクスワーゲンのワークスチームがWRCに“復帰”
またフォルクスワーゲンは、マシンデリバリー前の最終テストと実戦デビューを兼ねて、10月にスペインで行われるWRC第12戦スペインのWRC2クラスへ参戦すると発表した。
ラリー・スペインにはワークスチームとして参戦するため、フォルクスワーゲンはWRC最上位クラスでの活動を終了した2016年以来に、WRCへ“ワークス復帰”を果たすことになる。
「我々はラリー・スペインに参戦し、2台のポロGTI R5を持ち込む」とスミーツ。
「我々の狙いは、ポロGTI R5の戦闘力をもっとも競争の激しい環境で披露し、(ターマックとグラベルの)ミックスサーフェスでのパフォーマンスを証明することだ」
なお、現時点でどのドライバーが起用されるかは発表されていないものの、WRC公式サイト『WRC.com』などは開発テストに参加しているWRC2クラス王者のポンタス・ティデマンドや以前Mスポーツに所属していたエリック・カミリが候補だとしている。