クラウド型目標・評価管理サービスを提供するHRBrainは9月3日、「目標管理の実態と従業員の本音に関する意識」の調査結果を発表した。調査は今年8月にインターネットで実施し、人事評価を受ける立場の役職がない会社員(正社員)男女600人から回答を得た。
勤め先の会社にて4半期・半年、あるいは1年ごとに個人の目標設定をしているかを聞くと、「設定していない」が50.8%で、「設定している」の49.2%をわずかに上回った。
「個人の目標設定をしている」と答えた人の割合を会社の規模別で比較すると、従業員数が300人以上1000人未満では64.7%、25人以上100人未満では41.1%、25人未満では12.1%と、小規模の会社ほど、個人の目標を設定していないことがわかった。
目標意識が低い理由1位「目標を振り返るタイミングが少ないから」
個人の目標設定をしていると答えた人に、目標の管理方法について聞くと、最も多かったのが「エクセルなどのドキュメントを使用している」(52.9%)、次いで「メモや紙」(20%)、「クラウド型の管理ツール」(19%)、「特に何もしていない」(7.8%)だった。
上司によって求められる指標が異なるため、やりづらい、困惑したことはあるか、という質問については「たまにある」(53.9%)、「よくある」(26.1%)を合わせて80%に上った。上司によって異なる評価基準が、混乱を招いているようだ。
面談や提出日直前になって、その場しのぎの目標設定をしたことがあるかについては、「たまにある」(47.8%)、「よくある」(30.5%)を合わせて78.3%となった。
設定した目標に対する姿勢を聞くと、最も多かったのは「査定時期や面談時期のみ、目標を意識して仕事に取り組んでいる」(45.8%)。「目標を意識していない、または、覚えていない」(18.3%)と合わせて61.1%が「常に目標を意識して仕事に取り組んでいない」と回答し、本来の意義が失われていることがうかがえる。
目標への意識が低い原因についての1位は「目標を振り返るタイミングが少ないから」(46.6%)、2位は「面談のためだけのその場しのぎの目標設定になってしまっているから」(42.9%)、3位は「設定した目標に対して納得いっていない、または、機能していないと感じているから」(27%)だった。目標を振り返る機会の少なさと、にわか仕込みの目標設定が、目標意識の低迷の要因になっているようだ。