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岩田剛典、杉咲花の“父の日”エピソードに「娘にしたい」 『パーフェクトワールド』制作秘話

2018年09月04日 22:32  リアルサウンド

リアルサウンド

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 9月4日、都内にて映画『パーフェクトワールド 君といる奇跡』の“パーフェクトカーペット”及び完成披露プレミア試写会が行われた。


 10月5日公開の本作は、仕事で偶然再会した初恋の人が、車イス生活を送っていたという設定から始まる純愛ストーリー。主⼈公の鮎川樹役を、数々のドラマや映画に⽴て続けに出演するEXILE/三代目 J Soul Brothersの岩⽥剛典、樹をひたむきに想い続けるヒロインの川奈つぐみを、映画初主演となる杉咲花が演じる。


 まずパーフェクトカーペットに登場したのは主演の岩田と杉咲の2人。会場にはこの日のために全国から駆けつけたファンも集った。本作の撮影地は江ノ島。連載成就の名所「恋人の丘」でも知られる、真実の愛を結ぶ“南京錠”、真実の愛が鳴り響く“幸福の鐘”、そして、真実の愛が降り注ぐ“ハッピーバルーンシャワー”という3つの幸せのシンボルが用意され、岩田と杉咲の2人は協力しあい、それぞれの課題をクリアしていった。


 トークでは、岩田が29歳、杉咲が20歳ということで、実年齢は9歳年が離れていることから、岩田が「親子に見えないかなって心配した」と冗談めかしに語った。また、撮影は柴山健次監督と3人でディスカッションを重ねながら進めていったということで、その貴重な機会に成長を実感したことも、2人の口から明かされた。


 印象的なデートなシーンを聞かれると、岩田は「2人でソフトクリームを食べるシーンがあって。その売店にいろいろなメニューがあるのですが、その中でも、アイスの上にイナゴが乗っている“イナゴアイス”が思い出に残ってます」とコメント。杉咲も岩田のコメントに頷きながら「私もそれがすごく印象に残っています。イナゴってバッタなんですけど……」と言いながらも「コーヒーカップに乗ったり楽しかった」と様々なバリエーションのデートシーンがあることが明かされた。


 続く、完成披露プレミア試写会には、岩田と杉咲に加え、須賀健太、芦名星、大政絢、柴山健次監督が登壇した。


 柴山監督は「この作品は恋愛映画ですが、ただの恋愛映画というより、人生の大切さがつまった映画だと思います。多くの人に届けば」と挨拶。岩田は、車椅子生活を送る役柄を演じるにあたり、車椅子や車椅子バスケの特訓をしたり、また樹のモチーフになった建築士、阿部一雄さんに実際に話を聞きながら、役作りに生かしていったという。「たとえば1センチの段差でも操作が大変だったり、建物のこういうところをもっと変えたらいいのに、と思うこともあった」と、樹の役を通して学んだことも多かったようだ。また、本作ではデートシーンが多くあり、その中には樹が猫を拾うシーンも。岩田は「前回(『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』)では女性に拾ってもらう側だったんですけど、今回は猫を拾っています!」と言って、会場を和ませた。


 今回は初の映画主演になる杉咲は、「これまで悲しい過去を背負った役が多かったので、自分がこういうラブストーリーには縁がないと思っていた。意外にも感じましたが、新たな挑戦できる楽しみがありました。ただ、自分が経験したことのない役を演じるという不安もありました」と、その思いを語った。社会人も初めて演じることにあたり、落ち着いた仕草を見せたり声を低めにするなど試行錯誤もあったが、監督から「天真爛漫なつぐみでいてほしい」と言われ、撮影前に役作りの方法にも変化があり、また衣装とメイクで大人っぽく仕上げていったという。


 須賀健太は、つぐみの高校の同級生・是枝洋貴を、芦名星は樹のヘルパー長沢葵を、大政絢は樹の元彼女・雪村美姫をそれぞれ演じた。トークは終始和やかな雰囲気で行われ、現場でのチームワークの良さも伺えた。芦名は、撮影期間ダイエット中だったという須賀に甘い差し入れを食べさせようと四苦八苦したり、大政が制服姿になるのは恥ずかしく、岩田とともにテンションをあげてどうにか乗り切った、というエピソードも明らかに。岩田は20代最後の制服姿に「ずっと男子校通いで学ランしか着たことがなかったけど、初めてブレザーを着ることができました。ふざけないとやってられなかった」と、笑顔で撮影時を振り返った。


 また、父の日に撮影があったことから、杉咲が父親役の小市慢太郎にバスセットのギフトを贈っていたという。岩田は「“パーフェクト”花ちゃんですよ。娘にしたいって、このことだなって。一方、僕は何も持ってねぇ、みたいな。花ちゃんは気配りがすばらしいです」と賞賛。また杉咲は、「岩田さんはとにかく優しくて、撮影のスケジュールはタイトだったのですが、そんな中でも常にコンディションが変わらず、相手のことを気遣ってくださる。差し入れしてくれた焼肉ロールが美味しかったと伝えたら、その後もう一回差し入れてくれました」と話した。岩田と杉咲は撮影時も穏やかな雰囲気だったようで、須賀は「食品サンプルを見ながら2人で話していて、すごく仲が良さそうだった」、芦名は「役柄のこともあって少し距離をとっていたけど、お弁当のときに2人から私のところに来てくれた」、大政は「撮影の合間、私も2人のところに入れてくれて。柔らかい空気感がありました」と、その仲睦まじい様子を伝えた。


 最後の挨拶では、会場に集まったファンに感謝の気持ちを述べながら、「大切な人のことをより大事に思える作品になったと思います」(杉咲)、「愛の力で障がいを乗り越えていくストーリーは、世代をこえて多くの人の胸を打つのではないかと思います」(岩田)と、それぞれの言葉で本作にかける思いを語り、完成披露試写会は幕を閉じた。(取材・文=若田悠希)