2018年09月04日 09:42 弁護士ドットコム
「最期までひとりの生活を楽しみたい」。こう思う生涯独身の「おひとりさま」もいるだろう。
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現役時代とは変わらない「おひとりさま」ライフを楽しむためには、どれくらいの年収で働き続けておけばいいのだろうか。
以下のような想定に基づいて、新井佑介税理士にシミュレーションを依頼した。
<想定>
・東京都在住の会社員
・現在40歳、未婚(今後もしない)、貯金なしだけど、今後は貯めたい
・60歳定年で、以後は働かない
・平均寿命に近い80歳まで生きるつもり
・相続する必要もないので、お金は使い切りたい
・仕事はほどほどでいいと思っているので、年収はこれ以上上がらない想定
・月の生活費は、家賃10万円、生活費15万円、趣味のお金5万円
人生は結婚が全てではありません。「おひとりさま」ライフを選択した(する)以上、とことんエンジョイするためにも計画的に準備をしていきましょう。人生は楽しんだもの勝ちですから。
早速ですが、準備の中でも特に気になるオカネについて、想定をベースに考えていきましょう。
まず60歳の定年以後は働かないので(まだまだ働ける年齢ですが)、亡くなる80歳までに20年間も無職期間があります。無職期間も現役自体と変わらず「おひとりさま」ライフを楽しむためには、家賃等で月30万円が必要となります。よって定年後の20年間で7,200万円が必要となります。想定でも考慮されていないのですが、年金についてはアテにはできないので、保守的に考慮対象外としましょう。
となると、現役時代に7,200万円の貯蓄をする必要があります。現在、40歳で貯金ゼロなので、定年までの20年間で貯蓄する必要があります。資産運用はせずに全額を預金で貯蓄した場合、年換算にすると360万円ペースで貯金する必要があります。
年間360万円の貯蓄をしながら、さらに家賃と生活費と趣味で360万円かかるので、合計して720万円が最低でも年収ベースの手取で必要です。税金や各種保険料を控除した後の手取ですよ。これは額面にすると概ね年収1,000万円になります。つまり、年収1,000万円を維持しながら20年間働き続ければOKです。
年金や退職金や両親からの相続財産を全く考慮していない超保守的なシミュレーションですが、税制や社会保障制度は将来にわたって不確実なので、頼るべき配偶者がいない「おひとりさま」は保守的にシミュレーションした方が安全だと思います。
「おひとりさま」ライフ。自分らしく人生を楽しむために必要なオカネは、決してお気軽な金額とは言えないのかもしれません。
【取材協力税理士】
新井 佑介(あらい・ゆうすけ)税理士・公認会計士
AAG arai accounting group 代表。慶応義塾大学経済学部卒業後、BIG4系ファームを経て現職。MASコンサルティングや様々な融資案件に積極的に関与している。
事務所名 : AAG Arai Accounting Group / 経営革新等支援機関 新井綜合会計事務所
事務所URL: http://shozo-arai.tkcnf.com/pc/
(弁護士ドットコムニュース)