F1第14戦イタリアGP期間中に発表されると噂されていたフェラーリの2019年シーズンのシートは、結局なかった。
なぜ、そんな噂があったにも関わらず発表されなかったのか。
それは、発表されるという情報と発表されないと情報が同時に存在していたからだ。
発表されるという情報は、キミ・ライコネンが引退し、その代わりにザウバーからシャルル・ルクレールが移籍するというものだった。ルクレールはフェラーリ・アカデミーの優秀な新人で、セルジオ・マルキオンネがその才能を高く買っていた。2018年のイタリアGPで発表されるという情報は6月ごろから流れていた。
ところが、7月にマルキオンネが急逝すると状況が一変する。新しくフェラーリのCEOに就任したフェラーリの取締役で、元フィリップ・モリス・インターナショナルの会長も務めた経験があるルイス・キャリー・カミッレーリがライコネン派だったからだ。
これでライコネンが優勢になるかと思われたが、事は簡単には進まなかった。なぜなら、マルキオンネが亡くなる前に、マルキオンネはルクレールと契約を交わしていたからだという。そのため、違約金を支払ってライコネンを残留させるか。それとも、予定通りルクレールを移籍させるかについて、イタリアGP開けの月曜日に、フェラーリは臨時の取締役会を開き、話し合うと言われている。
イタリアGPでのライコネンのパフォーマンスを見ると、まだまだトップドライバーとしてやっていけるようにも見える。しかし、ベッテルのサポート役に徹することなく、自分のレースを貫いた走りを見ると、ライコネンはフェラーリの内部抗争に愛想を尽かし、すでに引退を決意しているようにも見える。
果たして、火曜日以降になんらかの発表はあるのか? イタリアGPは終了したが、ティフォシはまだまだフェラーリから目が離せない状況となっている。