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誤認逮捕で17年服役した男性、1億円超の損害賠償請求へ(米)

2018年09月03日 18:22  Techinsight Japan

Techinsight Japan

真犯人(左)と間違えられ17年も服役した男性(右)(画像は『Metro 2018年9月1日付「Innocent man demands £1m compensation after spending 17 years jailed for lookalike’s crime」(Picture: gofundme.com)』のスクリーンショット)
犯してもいない罪を被せられた男性は、誤認逮捕され17年間の服役を強いられた。昨年ようやく釈放となった男性は現在、州に100万ドル(約1億1,000万円)超の損害賠償金を求めている。『Metro』などが伝えた。

米ミズーリ州カンザスシティで、2児の父親リチャード・ジョーンズさん(42歳)が無実の罪で逮捕されたのは1999年のことだった。リチャードさんは武装強盗の容疑者となり、目撃者が「彼が犯人」と証言したことで逮捕され投獄された。

ところが、服役中に他の受刑者らがリチャードさんに「リッキー・アモスに似ている」と度々発言、実はその男こそ武装強盗を働いた真犯人であった。リチャードさんとは髪型や髭が酷似しており、目撃者が間違えたようだ。自分と似ている人物がいると知ったリチャードさんは、冤罪をかけられた人々に法的サービスを提供する「Midwest Innocence Project(ミッドウエスト・イノセンス・プロジェクト)」に連絡し、協力を願い出た。DNA鑑定によって冤罪証明を行うこの非営利活動機関が調査を行うと、リチャードさんのDNAや指紋は現場に残されておらず、犯罪と結びつかない結論に達した。しかも事件当日、リチャードさんはカンザスシティの現場から離れた場所に暮らしており、真犯人のリッキーは現場近くに住んでいた。冤罪についてこれまでにも何度も上訴してきたが不成功に終わっていたリチャードさんは17年前の誤認逮捕から昨年、ようやく自由の身となった。

リチャードさんには現在24歳と19歳になる娘2人がいるが、服役中は子供たちの成長を見ることができなかったこともあり、現在は弁護士とともに学費や住宅、カウンセリングのための将来的な財政援助を求めて、カンザス州に100万ドル(約1億1,000万円)以上の損害賠償金請求の請願書を提出しているという。リチャードさんは心境をこのように語っている。

「無駄にした17年という長い年月は、二度と取り戻すことはできません。今は日々の生活に慣れることに必死です。逮捕された時、私は父親として子供たちに完璧ではないですが、精一杯のことをして子育てしていました。収監された時、子供のそばにいられないことを一番辛く思いました。」

リチャードさんの弁護士は、無実証明書と損害賠償金が得られればリチャードさんは新たな人生を歩むことができるだろうと述べており、この件に対応している別の弁護士は「真犯人とリチャードさんが瓜二つで驚きました。今回、彼のドッペルゲンガーが見つかったのは幸運だといってよいでしょう」と話している。

画像は『Metro 2018年9月1日付「Innocent man demands £1m compensation after spending 17 years jailed for lookalike’s crime」(Picture: gofundme.com)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)