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「何があっても警官を頼りにしてはならない」警察に絶望する人々(南ア)

2018年09月03日 15:32  Techinsight Japan

Techinsight Japan

警察官には見えない女性だが…(画像は『STOLEN CARS RSA 2018年8月29日付Twitter「「Hi @SAPoliceService...Yesterday Mamelodi East PTA.」』のスクリーンショット)
日本ではパスポートのコピーなどを証明する際に公証役場へ行き、原本の写しであると証明する必要がある。南アフリカでは、警察に原本と写しを持って行くだけで、警察官が写しの用紙に原本証明のスタンプを無料で押す仕組みとなっている。このほど、まるで現地ドーナツ売りのおばさんのような服装をした警察官がその業務にあたっていたことが明らかになり、物議を醸している。

南アフリカ・プレトリア近郊のタウンシップにあるマメロディ東(Mamelodi East)警察署で、ピンクのワンピースにエプロン、ピンクのチューリップハットを頭に乗せ、靴下にスリッパというまるで「ドーナツ売りの女性」が、慣れた手つきで警察のスタンプを押し、サインをしている姿が目撃された。一仕事終えた女性は、次の原本証明を手にするとスタンプを押し始めた。

この女性は警察の仕事を勝手にしているのか、本物の警察官なのかと話題になった。その後、警察はこの女性が間違いなく警察官であることを確認した。

住民によると、このようにプロ意識に欠ける警察官の存在は今に始まったことではなく、30分待ちぼうけをくらうことも当たり前とのことだ。住民の一人であるリンディウェ・マクアさんは、携帯を紛失したため宣誓供述書を発行してもらうために警察を訪れた際、用紙を受け取るだけで45分も待たされたという。しかも記入方法について詳細な説明がなかったため、繰り返し確認をしなければならなかった。「警察は政府の公共施設だから市民を第一に考えるべき場所のはずだが、この国ではまったく頼りにならない。警察官は緊張感がなさすぎる」とマクアさんは嘆く。

またある住民は、今年の初めに隣家のドメスティック・バイオレンスを警察に通報したが、取り合ってもらえなかったと不満をもらしている。夫が妻に暴力をふるっていると通報したところ、警察官は「翌日には妻が訴えを下げるだろうから何もできない」と言って帰っていった。この行動に失望したこの住民は、今後は何があっても警察を頼りにはしないと決めたそうだ。

ハウテン州警察長官デリウェ・デランゲ氏は、今回の服装の件や警察官としての対応についてプロ意識が欠けていると指摘し、「すべての警察署において対応の悪さを改善することで、警察官としての意識を高めていかなければいけない。国民の信頼および警察と民間の関係を強化するためにも、警察署の窓口対応のサービスを向上が不可欠である」と述べている。

画像は『STOLEN CARS RSA 2018年8月29日付Twitter「「Hi @SAPoliceService...Yesterday Mamelodi East PTA.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)