F1第14戦イタリアGP決勝のトロロッソ・ホンダの2台は、いずれもスタート直後のポジション争いで接触に巻き込まれた。
まず、最初の通常スタートで接触事故に見舞われたのが、ブレンドン・ハートレーだった。16番手からスタートしたハートレーはホームストレート上で左右を囲まれてしまった。
「スタートしてすぐ、右後方からザウバーのマーカス(・エリクソン)が迫ってきた。そこで左側を見たら、マクラーレンの1台が並びかけていたので、僕はどうすることもできずに真っ直ぐ走っていた。
「マーカスが僕をパスするときに左に動いてきた。そんなにアグレッシブな動きじゃなかったけど、タイヤがパンクし、サスペンションにダメージを負って、僕のレースはターン1の手前で終わってしまった」(ハートレー)
リタイア後もガレージとモーターホームで残りのレースを見ていたと言うハートレー。
「外から見ている分には素晴らしいレースだったけど、できればコースに残って、レースを完走したかったね」と悔しさにじませていた。
この事故によって、レースはセーフティカーが導入される。再開された4周目の1コーナーでは、今度はチームメイトのピエール・ガスリーが事故に見舞われた。
■リスタート時にはフェルナンド・アロンソとピエール・ガスリーが接触
「フェルナンド(・アロンソ)をアウト側からオーバーテイクしようとして並びかけたんだけど、1コーナーで彼は僕を追い出したんだ。それで僕は1コーナーから2コーナーにある縁石に乗って、マシンが大きく跳ねて、フロアにダメージを負ってしまった。それからダニエル(・リカルド)と別の接触をしてしまってリヤを痛めてしまった。
その後、12周目にはレッドブルのダニエル・リカルドとも1コーナーから2コーナーにサイド・バイ・サイドのバトルを演じた際に接触。フロアのダメージがさらに悪化しただけでなく、フロントウイングにもガスリーのマシンは、「すべてのコーナーでマシンが滑る」(ガスリー)という状況となり、通常のペースで走ることができず、15位で完走するのが精一杯だった(6位でフィニッシュしていたハースのロマン・グロージャンが失格となったため、最終順位は14位)。
ただし、ガスリーは「その事故がなかったとしても、最初のスタート直後の1コーナーでのポジション取りで、ウイリアムズの2台に先を越された段階で、入賞は厳しいものとなった。アロンソとの接触がなくても、12位が精一杯だったと思う」と語った。
田辺豊治F1テクニカルディレクターは、「チームのホームレースで2台とも接触に巻き込まれたのは残念でした。ヨーロッパラウンドを最高の形で締めくくることはできませんでしたが、シンガポールはわれわれのパッケージにより適したコースですので、挽回したい」と、気持ちを切り替えていた。