9月2日現地時間午後3時10分、イタリアGP決勝のスタートを迎えメルセデスのルイス・ハミルトンが逆転勝利を飾った。
朝から曇り空で昼過ぎに小雨が降り始めて降ったりやんだりとなるが路面が濡れるほどではなく、レーダー上は大きな雨雲はない。気温は21度、路面温度28度という、予報よりも涼しいコンディションとなった。
ルノーのニコ・ヒュルケンベルグは前戦のクラッシュとパワーユニット投入で20番グリッド、ダニエル・リカルド(レッドブル)はパワーユニット投入で19番グリッド、マーカス・エリクソン(ザウバー)はICE(内燃機関)投入で18番グリッドからのスタートとなった。
予選Q3進出者は全車がスーパーソフトタイヤの中古、それ以外ではケビン・マグヌッセン(ハース)、シャルル・ルクレール(ザウバー)、エリクソン、リカルドがソフトタイヤで、それ以外はスーパーソフトの新品を履く。
ポールのキミ・ライコネン(フェラーリ)が好発進を見せターン1は首位をキープ。その後方にはセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が続いたが、ロッジアでハミルトンがアウト側から被せて前に出て、両者が接触。ベッテルはフロントウイングを壊してスピンしピットインを余儀なくされる。
スタート直後の混乱で行き場を失ったブレンドン・ハートレー(トロロッソ・ホンダ)が両側を挟まれて右フロントサスペンションを壊しストップ。セーフティカーが導入され、ヒュルケンベルグ、リカルド、ベッテル、エリクソンはピットインして最後まで走り切る戦略に出る。
4周目にレースは再開され、メインストレートでハミルトンがライコネンのトウに入ってオーバーテイクを果たす。しかしライコネンは続くロッジアで逆襲を仕掛けて抜き返し首位を奪い返す。ここからはライコネンとハミルトンの1秒前後の接戦が続く。
後方では3番手マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、4番手バルテリ・ボッタス(メルセデス)、5番手ロマン・グロージャン(ハース)、6番手カルロス・サインツJr.(ルノー)、7番手エステバン・オコン(フォース・インディア)、8番手ランス・ストロール(ウイリアムズ)、9番手セルゲイ・シロトキン(ウイリアムズ)の順で、5周目のロッジアでオーバーシュートしたマグヌッセンに対して続くレズモでインに飛び込んだセルジオ・ペレス(フォース・インディア)が接触、マグヌッセンはコースオフしピットインを余儀なくされ後退する。
その後ろにはベッテルとリカルドが中団集団を抜いて追い付いてくる。ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)、ヒュルケンベルグ、ルクレールは各車がDRSを使って拮抗しテールトゥノーズのトレイン状態から抜け出せないまま走行を続ける。そんななかトラブルを抱えた様子のフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)が9周目にピットに戻りリタイアを余儀なくされた。
ベッテルは18周目にようやくペレスを抜いて8番手に浮上、さらに20周目にはサインツも抜いて7番手へ上がる。前方ではボッタスがフェルスタッペン攻略を試みるが、極端にダウンフォースを削ったフェルスタッペンをなかなか交わすことはできない。
21周目にライコネンがピットインしてソフトに交換。これを見てすでに準備していたハミルトンはピットインを取りやめ、ペースが上々なのを見て翌周のピットインも見送ってプッシュを続ける。
25周目、リカルドがクルバグランデで白煙を吐き、ロッジアの先でストップ。26周目にはフェルスタッペンがピットインしソフトに履き替える。 左リヤのブリスターに苦しむベッテルは最後まで走り切ることが難しいと訴え、フェルスタッペンのペースを見てチームもスーパーソフトへの交換を決断し30周目にピットインさせる。
ハミルトンはここで戦略を大幅に切り替え、ライコネンよりも0.5秒ほど遅いペースだがステイアウトして予定よりも長く引っ張ることに。ピットインせず走り続けるボッタスにライコネンの前を抑えさせるが、それでもハミルトンは28周目にピットインしライコネンの後方でコースに戻ることになった。
首位ボッタスはライコネンを抑え込み、ハミルトンは前の2台の背後まで追い付いてくる。ライコネンもハミルトンも左リヤのブリスターを悪化させないようタイヤを労りながらのバトルとなる。
ボッタスは36周目にピットインし、ここからは首位ライコネン対2番手ハミルトンの一騎打ちに。中団では37周目にシロトキン、38周目にオコン、39周目にペレスとサインツとピットストップが行なわれるが、順位に変動はない。
ボッタスは43周目のターン1でフェルスタッペンに並びかけるがブレーキングゾーンでアウト側に幅寄せされてオーバーシュートを余儀なくされた。これに対しフェルスタッペンには5秒加算ペナルティが科された。
45周目、メインストレートでDRSを使ってライコネンに並びかけたハミルトンは、そのまま第1シケインでアウトから抜き去ってトップに浮上。さらにプッシュして1周で一気に2秒以上引き離してみせた。
路面温度が上昇するのと同時にライコネンのリヤタイヤのブリスターは悪化し、ペースは全く上がらず最後まで保たせることに専念するしかなくなった。ハミルトンは最後はライコネンを8.7秒引き離してトップでチェッカーを受けイタリアGPを制した。
ライコネンは2位、フェルスタッペンは3位でフィニッシュしたものの5秒ペナルティにより5位に後退、3位ボッタス、4位ベッテルと繰り上がった。6位にグロージャン、7位オコン、8位ペレス、9位サインツ、10位ストロールというトップ10。
ガスリーは序盤にアロンソと接触した際にフロアにダメージを負ったと訴え、マシンがグリップを失って滑りまくってペースが上げられず15位で完走するのがやっとだった。