鈴鹿でのF1日本GP開催延長のニュースは、パドックにいる多くのレース関係者からも歓迎の声があがっていた。
まず、「鈴鹿は神が作ったコース」とその素晴らしさを表現し、「鈴鹿が世界で最も好きなサーキット」と公言しているフェラーリのセバスチャン・ベッテルだ。
鈴鹿での4回という優勝回数は、ルイス・ハミルトンの3回をしのいで現役最多(ハミルトンは日本GPで4回優勝しているが、そのうち1回は富士スピードウェイ)だ。
フェラーリの母国グランプリという、一年で最もプレッシャーがかかるグランプリの初日のセッション開始直前にも関わらず、「今日、鈴鹿が契約を延長したんだけど……」と尋ねると、ニッコリと笑って、取材に応じてくれた。
「鈴鹿が契約を延長したって? それは僕にとって最高のニュースだ。何年、延長したの?」と尋ねられたが、その時点ではまだ正式な発表が行われていなかったため、「単年ということはないから、少なくとも2年は延長されたと思うよ」と返すと、ベッテルは「じゃ、あと2年はF1を続けることができる。鈴鹿がカレンダーにないF1はF1じゃない。鈴鹿がF1開催をやめるときが来たら、僕もF1から引退するからね」とご機嫌だった。
その後、鈴鹿とFOMの契約は2021年までの3年と発表された。つまり、現在2020年までフェラーリと契約しているベッテルは、もう1年長くF1を続けることができることとなった。
続いては、昨年スーパーフォーミュラで初めて鈴鹿を走って、その素晴らしさに魅了されたトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーだ。
「それはグッドニュースだ。僕は去年、スーパーフォーミュラで初めて鈴鹿を走ったけど、本当にチャレンジングなコースで、僕のお気に入りのベスト3のサーキットのひとつ。鈴鹿を走るために日本GPを楽しみにしていたので、延長されて、良かった」
フジテレビの解説者として、イタリアGPを訪れていた浜島裕英(SUPER GTとスーパーフォーミュラに参戦するTEAM CERUMOの総監督)も、次のように契約延長を喜んでいた。
「(契約が延長されて)ありがたいです。鈴鹿は私にとって、特別な場所。あそこで開発したし、あそこで初めて(F1の)チャンピオンも取らせていただきましたから」
この日、メディアセンターではドイツ人からも「われわれは2019年以降も生き残ったね」と喜びの声が聞かれた。
すでにFOMと2019年について基本合意に達していたドイツGPの開催が正式に決定したからだ。鈴鹿との契約を締結したFOMは、この日、2019年の日程を発表。10月13日(決勝)の日本GPとともに、7月28日(決勝)としてドイツGPが掲載された。