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森崎ウィン、『ハゲタカ』最終章のキーマンなるか 綾野剛はいよいよメーカー社長に就任

2018年08月31日 06:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 木曜ドラマ『ハゲタカ』(テレビ朝日系)が、第7話にて最終章に突入した。


 最終章では、2018年、平成最後の夏が舞台となり、原作にはないオリジナルストーリーが描かれる。つまり、『ハゲタカ』最終章は誰もが予想だにしない展開が待ち受けているということだ。第7話は、来週9月6日放送のフィナーレに向けての序章となった。


 社員9万人を擁し、“ニッポン株式会社”の異名を持つ名門重工業メーカー・帝都重工。しかし、その会社の実態は、データ改ざん、不正会計と腐敗し切っており、芝野(渡部篤郎)と飯島(小林薫)は、鷲津(綾野剛)に買収の話を持ちかけていた。鷲津は、これまでの回で、新ファンド・サムライファンドの設立、内閣総理大臣への脅迫など、想像の域を遥かに超えた行動で我々を驚かせてきた。


 第7話においても、鷲津はその期待に応えてくれる。それが、鷲津の帝都重工社長就任。帝都重工社長・真壁(伊武雅刀)と飯島の“悪だくみの現場”に上がり込み、利用されるのが嫌いだと社長就任を持ち込む凄みは、経済界の重鎮である真壁と飯島を蹴落とすほどのインパクトを放っている。


 最終章にて真壁とともに新キャラクターとして登場するのが、森崎ウィン演じる天宮光一だ。スペース・フロンティア・ジャパンの代表で、帝都重工からの独立を目指し、鷲津に投資を依頼する。チャンスをつかむために必要な精神は「Scrap & Build」ではなく「Scrap & Bird」、“壊して羽ばたけ”という鷲津の講義に感銘を受けた天宮は、熱い思いで売り込みをかけるが、鷲津は「夢にお金は投資しない。なぜなら夢というのは、実現する意志のない人間が使う言葉だからだ」と一蹴。天宮はサムライファンドにまで企画書を持ち込み提案をするのだが、鷲津は激しい平手でガラステーブルを粉々にし、「羽ばたくためのチャンスが欲しいなら、その被害者根性と他人任せの考え方を徹底して捨てろ。そして自力で飛ぶ覚悟を持て」とドスの効いた声で有無を言わさぬ態度に出る。鷲津は、宇宙ベンチャーは関わりたい事業ではないと告げてはいるものの、スペース・フロンティア・ジャパンを気にかけているようでもある。天宮らが、最終章においてキーマンになってくる可能性は十分にある。


 そしてもう1人、最終章においてキーマンとなりそうなのが、日光みやびホテル社長の貴子(沢尻エリカ)。みやびホテルは、外資系ホテルグループ、クラウンセンチュリーの傘下に入って8年が経過し、着実に実績を積み上げていた。売り上げ評価ともにクラウン日本支部でもトップクラスの存在だ。貴子は、クラウンから執行役員を打診されるほどの器になっていたが、あくまでみやびホテルの独立を目指すと、鷲津と志を共にした人物。第1話で描かれる1997年より、20年以上もの間、鷲津と貴子は強く惹かれ合い、時に運命が交錯してきたが、深く混じり合うことはなかった。しかし、その際芝野が提案したのが、帝都重工主催のアジア重工連会議をみやびホテルで開催するというもの。芝野は、鷲津にとって貴子と日光みやびホテルが特別な存在であることを知った上で、“鷲津の暴走”を止める任務を貴子に依頼する。それは、日光みやびホテルの独立を勝ち取ると同時に、帝都重工再生、日本経済救済を示す重大な役目だ。


 最終決戦の場となるのは、日光みやびホテル。構図は20年来の因縁の戦い「鷲津 VS 飯島」だ。キーワードは、鷲津自らが提唱した「Scrap & Build」、そして「Scrap & Bird」。鷲津は、帝都重工にとって救世主となるのか、それとも破壊者となるのか。(文=渡辺彰浩)