ABBフォーミュラE選手権を運営するフォーミュラEホールディングスが、2020年から電動SUV車を使った新シリーズ『エクストリームE・ワールドチャレンジ』を立ち上げる方針だと複数の海外メディアが報じている。
イギリスのAUTOSPORT.comや、アメリカのe-racing365によると、このエクストリームEは共通シャシーに、各チームが独自開発するボディワークやモーターを載せたマシンで争われるもの。なお、ボディワークについては市販SUVのものをベースとする必要がある。
シリーズはフォーミュラEと同様に12月にスタートするウインターリーグとなる見込みで、現在は2020年末のスタートに向けたプロジェクト初期段階だが、2019年4月にはプロトタイプマシンをデビューさせたい考えだという。
プロジェクトを主導するのはフォーミュラEのアレハンドロ・アガグCEOとマクラーレンでスポーティングディレクターを務めるジル・ド・フェランのふたり。両者は主にフォーミュラEに参戦しているメーカーを中心に参戦に向けたアプローチを行っているようだ。
e-racing365はレースフォーマットについて、ノックアウト方式を採用するとしており、TV中継にはドローンを使った映像も採用されるとしている。レースはヒマラヤ山脈や北極圏、インド洋の離島など、地球温暖化の影響を被っている代表的な場所で開催されるとのこと。
フォーミュラEのアガグCEOは、AUTOSPORT.comの取材に対し「現時点でエクストリームEについて言えるのは、フォーミュラEが取り組んでいる新プロジェクトであるということだけだ」と応じている。
「フォーミュラEはその新プロジェクトを運営するが、まだ計画初期段階だ。近々、プロジェクトを率いているジル・ド・フェランが詳細をお知らせするだろう。現時点で言えるのは、これだけだ」
電動フォーミュラで争われるフォーミュラEに多くの自動車メーカーが参戦しているように、メーカー各社は技術開発とPRの場としてEVレースを活用している。
近年多くの自動車メーカーが新モデルを発表しているSUVのEVモデルを使ったレースが誕生すれば、これまでモータースポーツには積極的ではなかったメーカーも含めて多くのエントリーを集めることになるかもしれない。