F1は新しいパワーユニット/エンジンレギュレーションを2021年から導入する予定で動いてきたが、これを2023年以降まで延期する可能性があることが分かった。
安価でシンプルで音が大きいパワーユニットを2021年に導入することを目標に、F1、FIA、各チームやマニュファクチャラーが新規則の策定のため、協議を行ってきた。しかし、新レギュレーションの確定が遅れ、新たな自動車メーカーの参入が難しくなってきていることから、規則変更を遅らせることが選択肢として検討されていることが明らかになった。
2018年F1ベルギーGPのプログラムに掲載されたインタビューにおいて、F1のモータースポーツ担当マネージングディレクターであるロス・ブラウンは、2021年という新規則導入のタイミングを見直すことを考えていると認めた。
「新規マニュファクチャラーの参戦を促し、既存エンジンサプライヤーの参戦を確保するような、新しいエンジン技術規則を作成したいと考えている」とブラウン。
「タイミングを考えなければならない。2021年が正しいタイミングなのか、大規模な規則変更によってF1に新規参入がもたらされると確信できるまで態勢を整えておくべきなのかを検討する必要があるだろう」
■F1チーム、マニュファクチャラー側から新エンジンプランの見直しを求める声
レッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、新規則導入を延期し、慎重に細部を煮詰めるべきであると主張している。
「新しいマニュファクチャラーが参戦する予定がない。中途半端な変更を行い、中途半端な対策を行うよりは、F1が前進するためにどういうエンジンを使用すべきなのかを真剣に考えるため、もう少し時間をかけるべきだと私は思う」
「そのためにあと2、3年かかるとしても、そういうアプローチこそが賢明であるといえるだろう」
「今のところ、2023年シーズンを迎える前には何も変わらないと思う」
ルノーのマネージングディレター、シリル・アビテブールは、F1はエンジン規則変更よりももっと早急に取り組むべき課題があるとの考えを示した。
「もう少し現実的に考え、F1が今、緊急に取り組む必要がある問題に集中すべきなのではないかと、我々は考える。ショーの向上、チーム間の格差、不均衡な分配金といった問題を最優先すべきなのではないだろうか」
「また、コストが高すぎることも問題であり、予算制限という課題について明確にする必要もある。こういった問題と比べると、エンジンレギュレーションの優先順位は高くない」