いきなりだけど、インターネット掲示板で流行するスラング。あれってなんでこうも寒いんだろうか。今でいうと「なんJ語」とかもその範疇か。ネット掲示板だけじゃなく、ツイッターでも使ってる人がいるけど、なんか寒い。見かけるたびに「あ、この人はこれが面白いと思ってるんだな」という気になってしまう。
が、こういったネットスラングにも流行り廃りがある。あまりネットの匿名掲示板に出入りしない方にはピンと来ない話だろうが、あの閉鎖的なバーチャル空間では、現実のそれと同じように、言葉の流行と退廃が繰り返されている。(文:松本ミゾレ)
「ネチケット」「オマエモナー」「キボンヌ」
先日、5ちゃんねるに「ガチで使われなくなったネットスラング」というスレッドが登場した。これまで実に様々なこの手の言葉が誕生しているわけだが、スレ主は例えとして「小並感」を挙げている。この言葉の意味は「小学生並みの感想」である。相手を煽るときや、自分の思ったことを物凄く適当に表現した際に使う言葉のようなものだ。
こんなの知っててもネット掲示板でしか使えない、極めて限定的なワードだ。でも、こういう狭い範囲でのみ通じる言葉って、意味合いも含めて何となく興味深いと感じる方もいるかもしれない。
ではここで、今回紹介したスレッドに書き込まれていた、なつかしいネットスラングについて、いくつか引用してこちらでも挙げてみたい。
「ネチケット」「逝ってよし」「オマエモナー」「藁」
と、まあこんな感じで絶妙に古くて寒い表現が目白押しとなった。それぞれ簡単に概要を説明しておくと、「ネチケット」とは「ネット利用についてのエチケット」を意味する。34歳の僕が高校生ぐらいのときに読んだ本にも紹介されていたので、かれこれ20年は前に生まれたワードということになる。
「逝ってよし」はかつての2ちゃんねるで煽り文句としてよく使用されていた。キャッチーなワードだったようで、ネット掲示板を題材にしたドラマや映画でも用いられていた記憶がある。意味は酷いが『電車男』ぐらいの時代のネット掲示板の代名詞みたいなものだったか。
「オマエモナー」は2ちゃんねるで使われていた、モナーというアスキーアートのセリフとして用いられることが多かった。意味は「お前もな」そのまま。伸ばす意味が分からないし、昔からそうだけどこれやっぱり面白くないと思う。
「藁」はネット掲示板で言うところの「(笑)」の代用スラングとしてよく使われていたもの。最近では「w」がこの跡目を継いでいるため滅多に見かけることはなくなった。「藁」はほとんどネット掲示板の外には流行しなかったが、「w」は割とSNSでも見かけることが多い。入力が手軽で便利なのだろう。
ほかには、こんなのも出ていた。
「香具師」「テラワロス」「今北産業」「キボンヌ」
どれも懐かしいが、こういうのってやっぱりいつの間にか誰にも見向きもされなくなるようだ。しかし思い出すことが出来るものはまだマシで、実際には今や誰も覚えていないスラングなんてのも幾つかあるんだろう。