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MotoGPイギリスGP:FP4でクラッシュしたティト・ラバットにマシンが激突。6台がマシン制御を失った事故の背景

2018年08月27日 16:51  AUTOSPORT web

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ティト・ラバット
第12戦イギリスGPの予選日に行われたフリー走行4回目(FP4)、レアーレ・アビンティア・レーシングのティト・ラバットが7コーナーで転倒。直後にグラベルに倒れていたラバットに他車が突っ込むアクシデントが起き、ラバットは右足を複数骨折した。

 8月25日のレースウイーク2日目午後、30分のセッションで行われたFP4の天候は曇り、ドライコンディションで開始した。

 全車ドライタイヤでロングランを続けていたが、残り14分の時点でレッドクロス旗(雨が降り始めたことを示す旗)が振られ、コース南側ではハーフウエットになった個所が見られた。

 セッション残り9分の段階で全車がピットイン。雨は北側にあるピットでは降っておらず、南側の7コーナーで強く降っていた。今年路面を再舗装したシルバーストンサーキットでは、この週末初めてウエットでのセッションとなった。

 その後残り6分の時、アレックス・リンスがレインタイヤでいち早くコースインするもアウトラップの7コーナーでコースアウト。ピットでも雨粒が見られコース全体で雨が強くなっていた。

 アクシデントが起きたのは残り2分、リンスがハンガーストレート後の7コーナーでアクアプレーニング現象を起こしブレーキが効かない状態に。リンスはマシンから身を投げ出しマシンはそのままバリアに激突した。

 リンスは「アウトラップでストレートが水で覆われているのを見たが、危険な状態だったらレッドフラッグが出るから大丈夫だと思って走行を続けた」と当時の状況を振り返った。

「しかし、ガソリンが満タンだったためアクアプレーニング現象を起こし、ウォールが近づいてるのが見えたのでバイクからジャンプすることに決めた」

 路面コンディションがあまりにも悪いことを察知したリンスは、転倒後にグラベル上で他車にスピードを落とすようにジェスチャーしたが、アレイシ・エスパルガロ、ラバットが転倒。ホルヘ・ロレンソは早めにブレーキをかけたがグラベルにオーバーランし、ダニロ・ペトルッチもランオフ。5台が飛び出したことで残り1分37秒で赤旗が掲示された。

 しかし、直後にフランコ・モルビデリも制御を失い、グラベルに倒れているラバットにマシンが激突。計6台が制御を失う結果となった。

 モルビデリは「突然雨が降りだしたことで、水溜りができフロントグリップを失い、滑ってグラベルに進入してしまった」とクラッシュについて説明。

 セッションは中止となり、ラバットはイギリスのコベントリー市内の大学病院に搬送された。骨折したのは右脚の大腿骨、脛骨、腓骨で手術を受け無事に成功したことをレアーレ・アビンティア・レーシングが発表。数日間入院した後、スペイン・バルセロナ市内の大学病院に医療専用機で搬送される予定となっている。

 アクシデントの原因は、シルバーストンの路面改修後ドライでのテストは2度カル・クラッチローが実施されたがウエットでのテストが実施されなかったこと。また、急な天候の変化で路面のグリップが即座に低下したこと、水捌けが思ったほど良くなかったことなどがあげられている。

 MotoGPのグランプリセーフティオフィサーであるフランコ・ウンチーニは決勝中止を発表した後の会見で、シルバーストンサーキットは5月から路面が悪化したこと、原因を究明するためにこれから6週間の調査を実施することを語っている。