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【鈴鹿10時間】水村リアのModulo Drago CORSE密着記(4)/ドラゴファミリー見事完走!気になるメディア賞100万円の使い途は……。

2018年08月27日 14:41  AUTOSPORT web

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スーパーGTのサーキットやModuloブースなどでMCを務めている水村リアさんが、鈴鹿10時間で劇的復活を果たしたModulo Drago CORSEのチームに帯同して4日間密着。第4回目はいよいよ決勝が行なわれた日曜日の様子をお届けします。

 誰もが息を飲んだ、スーパーGT第5戦富士の練習走行でのアクシデント(ZENT CERUMO LC500の追突を受けてマシン全損)からはや3週間。もうダメかと思った時もあった。レースができないんじゃないかと諦めかけた瞬間もあった。それでも復活を願ってくれたファンと、支えてくれた人たちのおかげで、34号車Modulo KENWOOD NSX GT3がサーキットに帰ってきました!

 34号車の復帰戦となるのは、海外からも強豪チームが参戦する耐久レース“SUZUKA 10H”。Modulo Drago CORSEにとって波乱万丈となった夏を締めくくる一戦を、日本を代表するNSX GT3でどう戦うのか。私、水村リアが4日間チームに密着してお届けしたいと思います!

 朝7時過ぎに着いたサーキットはこのレースウィーク中で一番暑く、決勝日は絶好の『夏のレース観戦日和』になりました。とはいえ、午後に向けてさらに上がる外気が怖い……。夏を締めくくる一戦、気温とともにアツくなりそうです!




 決勝前の最後の走行チャンスは20分間と、スーパーGTと同じ時間が与えられます。大津弘樹選手からスタートし、道上龍選手へドライバー交代してピットアウト、という時に、なんとエンジンがかからないトラブルが発生。一度ガレージに戻されどうなることかと思いましたが、無事、すぐピットアウトできました。



 最後は小暮卓史選手のドライビングでセッション終了。長い戦いの前に、道上選手は今週一番の真剣な表情になります。

 そしてあっという間に決勝レースのスタート時間が迫ります。



 グリッドボードもスタッフのお手製で、SUZUKA 10H仕様になっていました。



 ホンダの山本雅史モータースポーツ部長と、同じくNSX GT3で戦う選手と監督たちが集合で大混乱! あれ!?



 チョン・ヨンフン監督がいない! と思ったら、暑くないところで発見。韓流スターみたいにかっこいいチョン監督、実は周囲では密かな一番人気なんですよ。




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 スタートドライバーは大津選手。スタートは任せた!! と、道上選手と小暮選手から送り出しの握手。



 この3人ならきっと10時間走り切ってくれる! SUZUKA 10H限定のチームメイトですが、すでに抜群のチームワークを誇る道上選手、大津選手、小暮選手です。



 35台がいっせいにスタートし、直後のオーバーテイク合戦でコース上は大混乱。



 34号車Modulo KENWOOD NSX GT3はクリーンスタート! 1周目にポジションアップしましたが、途中ピットスルーペナルティーを受けてしまうハプニングも…。しかし、FCY(フルコースイエロー)のおかげでその遅れも取り戻すことに成功!! 運も、レースでは大切な要素です。



 最初のスティントで27周し、道上選手へドライバー交代しました。スタート直後は太陽も高く、10時間レースを始めるにはいきなりつらいコンディションだったはず。



 1周のラップタイムはおおよそ2分ちょっと。その2分を集中して全力で走るだけでも大変なのに、この気温の中を1スティント20周ほど走っていたドライバー。「レースは車を運転しているだけだから」と思われがちですが、レーシングドライバーはプロのアスリートなんです!!



 それ以上にアスリートなのは、もしかしたらメカニックやチームスタッフなのかもしれませんね。



 トラブルやアクシデントに即時対応できるように、SUZUKA 10Hではピットの中に椅子やベンチを用意。



 ピット内は風がなかなか通らず、サーキットのどの場所よりも暑いのです。そんな過酷な状況下で体力勝負のメカニックさんたちに、、、



 おやつのピザが到着! レースも折り返しを過ぎ、マシンも順調。ほっとひと息の瞬間です。これだけ過酷なコンディションの中、全開で走りながらシェイクダウン直後のマシンが無事に過ごせているのは、奇跡みたいだなと改めて感じました。



 ポジションには満足いってはいませんでしたが、道上選手もチームの働きと新マシンの調子にはハッピーな様子。

 徐々に日が暮れ、ライトオンが宣言されました。ドライバーにはまたひとつ試練が立ちはだかります。



 グランドスタンドは、お客さんの持っているライトで幻想的な雰囲気になっていました。



 最後のドライバーを任されたのは、実は暗い夜の走行が苦手な小暮選手! スーパーGTでは、今は異なるチームで戦いますが、Dragoファミリーの大切なひとりです。



 そしてついに10時間が過ぎ、34号車も総合21位で無事にチェッカーを受けてフィニッシュ! 小暮選手、暗い中での最終スティント、お疲れ様でした!!

 35台がスタートを切り、最終的には29台がチェッカー。10時間という短いようで長いレースでした。

 Modulo Drago CORSEにとっては再スタートの一戦。表彰台に乗ることができれば、もちろんその方が何倍も嬉しかったはず。だけど、いろいろなことを乗り越えて参戦することができたSUZUKA 10Hをノートラブルで走り切れたことは、チームメンバーの絆の強さを改めて示してくれたはずです。



 4日間密着して、Modulo Drago CORSEがどうしてたくさんの人に応援され、みなさんが力を貸したくなるのか、その理由が分かった気がしました。スーパーGTはまだ3戦残っていますが、これからもレースの面白さ、チームワークの大切さを見せてくれるはずです。

 ちなみに、チームはメディア賞を見事受賞することができました!!



 気になる賞金(100万円)の使い途は……新しい部品の足しにするそうです……(切実)。