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バリチェロら元F1ドライバーが多数参戦のSCB。第7戦でリカルド・ゾンタが2018年初勝利

2018年08月27日 14:11  AUTOSPORT web

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元F1ドライバーのリカルド・ゾンタがR2で待望の今季初勝利を飾った
南米ブラジル出身の元F1ドライバーたちが多数参戦するハイレベルなツーリングカー選手権、SCBストックカー・ブラジルの第7戦カンポ・グランデが8月18~19日に開催され、レース1は強豪シムド・レーシングのフェリペ・フラーガが勝利。続くレース2では、シェルVパワー・レーシングのリカルド・ゾンタが待望の今季初優勝を飾った。

 ブラジル中西部マットグロッソの州都近郊に位置し、その創設119周年を記念して開催されたSCB第7戦カンポ・グランデは、2ヒートともにピット戦略が勝敗を分けるレース展開となった。

 そのレース1に向けポールポジションを獲得したのは、今季もWEC世界耐久選手権でLM-GTEプロクラスに参戦する王者ダニエル・セラ(ユーロファーマRC)で、レース序盤は今季も選手権をリードするチャンピオンが盤石のマネジメントで支配していく。

 しかし反撃に転じたシムド・シボレー・レーシングのフラーガは、5度の王者獲得経験を持つチームメイト、カカ・ブエノとともにセラの背後に迫ると、コンビネーションプレーでチャンピオンを攻略しフラーガが首位浮上に成功。28周のレース1で唯一のピットストップに向け、ギャップを広げるべく猛チャージを見せる。

 セラに続いてピットへと飛び込んだフラーガは、ここでまさかのアクシデントに直面。右フロントタイヤの交換作業に手間取ったマシンは長らくボックスに滞在することとなり、その間にアウトラップを攻めていたセラがみるみるギャップを縮めてくる。

 なんとか作業を終えてマシンをコースに送り出したシムド・シボレー・レーシングだが、フラーガの88号車がトラックに復帰したときには、王者セラの29号車がサイド・バイ・サイドに迫り、一旦は首位の座を明け渡すことに。

 ここで諦めなかったフラーガは後半セクターで大胆なオーバーテイクを敢行し、タイヤの発動で不利な立場にもかかわらず見事にアウトラップでのポジションキープに成功。そのまま首位の座を脅かされることなく、トップチェッカーをくぐってみせた。

「ここで今季2勝目が飾れて本当に良かった。マシンはスタートからフィニッシュまで本当に完璧だったし、序盤でセラの前にも出られた。ピット作業のミスはヒヤヒヤしたし、冷えたタイヤでラインの外を走るのは怖かったし難しかったけれど、リスクを取って失った時間を取り戻せてホッとしたよ」と勝者フラーガ。

 2位セラに続き、3位にはカカ・ブエノを抑えたマックス・ウィルソンが入り、ユーロファーマRCがダブルポディウムを確保。前戦“ミリオン・レース”の勝者ルーベンス・バリチェロ(フルタイム・スポーツ)は9位となり、トップ10リバースのレース2に向けフロントロウを獲得した。

 その他、元WTCC世界ツーリングカー選手権レギュラーで、このイベントにスポット参戦したネストール・ジロラミ(バーダル・ホットカー)は18位、ネルソン・ピケJr.(フルタイム・バッサーニ)、アントニオ・ピッツォニア(プラティ-ドナドッツィ)、ルーカス・ディ・グラッシ(HEROモータースポーツ)らはリタイアに終わっている。
■バリチェロが首位走行も、ピットレーンクローズに泣く


 続くレース2もスタート直後から波乱の展開となり、リバースグリッドのビトール・ジェンツ(アイゼンバッハ・レーシングチーム)がみるみる後続の車列に飲み込まれると、9番グリッドのセラを筆頭にレース1勝者10番グリッドのフラーガ、11番グリッドのマルコス・ゴメスとシムド・シボレー・レーシング勢が団子状態のままコースオフを喫しポジションダウン。

 これでフロントロウ発進のバリチェロが一時首位に立つと、その直後にはセカンドロウ4番手からジャンプアップを見せたシェルVパワー・レーシングのアッティラ・アブレウがバリチェロの前に躍り出る。

 その直後に最終コーナーで新たにクラッシュが発生しセーフティカー(SC)が導入されると、アブレウ、バリチェロ、ゾンタ、カカ、ガブリエル・カサグランデ(フォーゲル・モータースポーツ)、バルデノ・ブリトー(アイゼンバッハ・レーシングチーム)、そしてポジションを回復してきたセラらのトップ集団でピットインの判断が分かれる状況に。

 このタイミングでピットへと飛び込んだカカとゾンタは無事に作業を終えたものの、カサグランデ、ブリトー、そしてセラの3台はタイミングモニター上でピットクローズだったことが判明し、軒並みペナルティ裁定を受けトップ集団から脱落する事態に。

 これで楽な展開となったのがシェルVパワー勢で、アブレウは最終局面で3位までポジションを上げてフィニッシュ。優勝のゾンタに続き、チームにダブルポディウムをもたらす結果となった。

「最初のレースで良いグリッドを確保し、それを活かすことができた。もちろんピット作業タイミングの幸運もあったけど、マシンは基本的に速さがあったんだ」と喜びを語ったゾンタ。

 2位カカ、3位アブレウに続き、4位には今季自己最高位となるピケJr.が入り、以下フェリペ・ラピーニャ(カバレロ・コントゥフレックス)、女性ドライバーのビア・フィゲレイド(イピランガ・レーシング)と続いている。

 レース2で権利を失ったセラが依然として43ポイント差で選手権首位を維持しているSCB。次戦は9月8~9日にカスカバルで第8戦が争われる。