トップへ

DTM第14戦:ミサノの気まぐれな女神がルーキーに初勝利をもたらす。鉄人ザナルディも上位に

2018年08月27日 11:51  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

初のトップチェッカーを受けるジョエル・エリクソン
イタリア・ミサノで開催されたDTMドイツツーリングカー選手権。前日に引き続きナイトレースで行われた第14戦は、ルーキーのジョエル・エリクソン(BMW M4 DTM)が初勝利を挙げた。ゲストドライバーのアレックス・ザナルディ(BMW M4 DTM)も5位に入る活躍を見せた。

 ミサノ・ワールドサーキットでの2戦目。雨に見舞われた予選では、ロイック・デュバル(アウディRS5 DTM)がDTM32戦目で初のポールポジションを獲得。9戦連続続いていたメルセデス勢のポール獲得をストップさせた。


「こういうコンディションは好きだよ。昨日は僕の日ではなかったけど、今日はうまく感じている」と決勝へ意気込むデュバル。

 2番手にエドアルド・モルタラ(メルセデスAMG C63 DTM)、3番手にダニエル・ジュンカデラ(メルセデスAMG C63 DTM)。前日のウイナー、ポール・ディ・レスタ(メルセデスAMG C63 DTM)は10番手に。

 55分+1周で争う決勝レース。デュバルはスタートで出遅れ、モルタラとジュンカデラに先行される。さらに2コーナーでハーフスピンを喫し中団に飲み込まれるも、なんとか抜け出し3番手でオープニングラップを終える。


 混乱に乗じて9番手スタートのティモ・グロック(BMW M4 DTM)は4番手にジャンプアップ。ディ・レスタも7番手とポジションを上げる。

降雨が波乱の展開をもたらす
 各車早めにピットインを終えスリックタイヤに変更していく。上位陣ではグロックが3周目終わり、そして、ジュンカデラが6周目終わりにタイヤ交換を行う。ディバルとディ・レスタもその翌周にピットイン。

 しかし、その直後セクター3辺りには大粒の雨が降り始める。コースオフするドライバーが続出し、スリックタイヤでは走行が厳しい状態に。

 各車次々とタイヤ交換へと向かい、ここまでタイヤ交換をしていなかったトップのモルタラ、レネ・ラスト(アウディRS5 DTM)、ロビン・フラインス(アウディRS5 DTM)、ザナルディ(BMW M4 DTM)、そしてエリクソンの5台はここで大きなリードを手に入れることとなった。

 エリクソンは9周目終わりでピットイン。ほかの4台はそのまま走行を続ける。しかし、12周目、ルーカス・アウアー(メルセデスAMG C63 DTM)がコースアウトしストップ。セーフティカーが導入される。

 これで6番手のデュバル以降は1周遅れで上位4台はタイヤ交換義務を終えておらず、エリクソンひとりが有利な展開となる。

 15周目にリスタート。モルタラはエリクソンとの差を開き、タイヤ交換分のギャップを作るため猛プッシュしていく。

 残り10分、2台の差は約30秒に。そして25周目にタイア交換へ。しかし、エリクソンを交わすまでのタイムを築くことはできず、両者は15秒差に。さらに先にピットインしたラストがモルタラに迫る。


 フラインスはの29周目終わりにピットインし、リーダーはエリクソンとなり55分が経過。残りはファイナルラップのみに。

 モルタラが驚速で追いかけていくも、エリクソンは1秒8差で逃げ切り、DTM14戦目でのうれしい初勝を手に入れた。

 2位にモルタラ、3位にラスト。展開が味方したとはいえ、難しいコンディションをしっかりと走り切ったザナルディは5位でフィニッシュした。


「これは信じられないよ。子供だった頃からDTMで勝つことを夢見てきた。言葉がでないね」とチェッカー後に無線で感情をあらわにしたエリクソン。

「本当に厳しいレースだった。スリックタイヤでスタートするのは危険で、当初は生き残ってレースを完走したいtぽ思っていた。その後、雨が降り始め、ラインに留まるのも難しかったし、どのポジションにいたのかもわからなかった。結果として、それが勝利に十分だったことがハッピーだね」

 5位という素晴らしい結果でミサノのゲストレースを終えたザナルディ。

「自分のスピードはOKだったけど、誰の邪魔にもなりたくないと心配していたよ。51歳のルーキーを歓迎してくれたDTMファミリーのおかげだ。今はビールを持って、チームと祝うのを待ちきれないね」と満足そうにコメント。


 ザナルディはポイント獲得の資格がないため、5位以降は繰り上がりでポイントが与えられ、6位に入ったディ・レスタは10ポイントを獲得。ゲイリー・パフェット(メルセデスAMG C63 DTM)がノーポイントで終ったため、9ポイント差でランキングトップに立った。

「この週末は僕たちにとって難しいものとなった。クルマはスーパーだったけど、自分の周りに多くのことが起こってしまった。DTM初めてのレインレースでもないので言い訳はできないね。ポイントを獲得したかったが、できなかった」とパフェットは失望を語った。