インターコンチネンタルGTチャレンジ第3戦・第47回サマーエンデュランス 鈴鹿10時間耐久レースは8月26日、鈴鹿サーキットで決勝レースのチェッカーが振られた。優勝を飾ったのはメルセデスAMG・チーム・グループMレーシングのラファエル・マルチェッロ/マーロ・エンゲル/トリスタン・ボーティエ組888号車メルセデスAMG GT3だった。
2017年までの鈴鹿1000kmに代わって、GT3/GT300マシンの“世界一決定戦”として開催された鈴鹿10時間の初代ウイナーは、メルセデスの支援を受け17年のブランパンGTシリーズ・アジアのチャンピオンを獲得したアジア最強チームのひとつ、グループMレーシングとなった。
予選で2番手を獲得した888号車は、ポールポジションスタートのハブオート・コルサの28号車フェラーリがドライブスルーペナルティを受けたり、同じく3番手だった27号車フェラーリがスタート後7時間過ぎに07号車ベントレーと接触しガレージインを喫するなどライバルが苦戦するなか、3人のメルセデスワークスドライバーたちが盤石の走りを披露。2位となったメルセデスAMG・チーム・ストラッカ・レーシングの43号車に31.635秒という差をつけ、10時間を走りきった。
2位争いは終盤まで接近戦が展開されることになったが、最終的に2位を獲得した43号車は、ルイス・ウイリアムソン、マキシミリアン・ゴーツ、アルバロ・パレンテという3人のドライバーが予選12番手から少しずつ追い上げを果たし、メルセデスのワン・ツーに貢献した。
一方、3位となったのはアウディワークスと言えるアウディスポーツ・チーム・アブソリュートの6号車。マーカス・ヴィンケルホック/クリストファー・ハーゼ/ケルビン・バン・デル・リンデの3人が43号車と同様に追い上げをみせ表彰台を獲得している終盤、アウディスポーツ・チームWRTの66号車とテール・トゥ・ノーズの争いとなったが、アブソリュートが守り切った。
そして5位には、スーパーGTチームの最上位となる谷口信輝/片岡龍也/小林可夢偉組00号車メルセデスAMG・チーム・グッドスマイルが食い込んだ。前日の予選ではアタック中に赤旗が出る不運に見舞われたが、レースはノーミス。終盤、ベントレー・チームMスポーツの08号車ベントレーが猛追し終盤の見どころとなったが、グランドスタンドのファンがグリーンのサイリウム一色となるほどの熱い応援を送り、片岡が逃げ切ることに成功した。表彰台獲得こそならなかったが、昨年スパ24時間に参戦し苦戦したリベンジを果たしている。
日本勢では、Audi Team Hitotsuyamaのリチャード・ライアン/富田竜一郎/アレッシオ・ピカリエロ組21号車アウディが、途中スピンがあったものの8位フィニッシュ。これまでのスーパーGTでの不運を払拭。アウディスポーツ・チームWRTの17号車を先行する活躍をみせた。
ポールポジションからスタートしたニック・フォスター/デイビッド・ペレル/吉田広樹組ハブオート・コルサの28号車フェラーリ488 GT3は、途中ペナルティもあったものの、13位でフィニッシュ。プロ-アマクラスの優勝はサンエナジー1・レーシングの75号車メルセデスに譲ったものの、
日本チームでは、GAINERの平中克幸/星野一樹/安田裕信組11号車ニッサンGT-RニスモGT3が14位でフィニッシュ。GT-R勢は、序盤上位につけたKCMGの23号車が途中ストップ。また、松田次生/アレキサンドレ・インペラトーリ/千代勝正組018号車も途中パワステと思われるトラブルにより後退を喫した。
JLOCの平峰一貴/マルコ・マペッリ/アンドレア・カルダレッリ組88号車は15位でフィニッシュ。同じくJLOCの元嶋佑弥/高橋翼/飯田太陽組は17位でフィニッシュし、プロ-アマクラスの3位表彰台を獲得した。また、唯一のアマクラスの参戦となったSATO,YAMASHITA-SS/Rn-sportsの佐藤敦/山下亮生/久保宣夫組は総合25位でフィニッシュ。クラス優勝を果たした。なお、アジアの出場ドライバーで構成されたチームの『アジア賞』では00号車メルセデスが優勝。11号車GT-Rが2位、16位でフィニッシュした永井宏明/嵯峨宏紀/平手晃平組が3位となった。
このレースは賞金総額1億円がうたわれていた大会だが、手元集計では優勝したグループMが優勝と1アワートップを2回獲得し、賞金3020万円を獲得。2位のストラッカは合計1510万円、3位のアブソリュートは合計820万円を獲得している。日本チームでは、グッドスマイルが順位とアジア賞で総額600万円を獲得した。