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“実力派”仮面ライダー俳優の登場! 犬飼貴丈、『仮面ライダービルド』で証明した表現力の強み

2018年08月26日 07:42  リアルサウンド

リアルサウンド

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 『仮面ライダービルド』(テレビ朝日系)が、いよいよ最終回を迎える。そんな中、改めて特記したいのは主人公・桐生戦兎を演じる犬飼貴丈の演技力。一目でわかる顔立ちの美しさは去ることながら、その表現力の幅に称賛の声が上がっているのだ。


【参考】竹内涼真、“仮面ライダー”と“朝ドラ”の反響を語る


 犬飼は、2012年に第25回『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』でグランプリを受賞して芸能界入り。2014年にドラマ『碧の海~LONG SUMMER~』(東海テレビ、フジテレビ系)で俳優デビューを果たすと、翌年には『ホテルコンシェルジュ』(TBS系)をはじめ3本の連続ドラマに出演した。


 その後も役者としての経験を積み、2017年1月~3月には『スーパーサラリーマン左江内氏』(日本テレビ系)に、島崎遥香演じる左江内はね子の同級生・ 佐野サブロー役で出演。クセ強めの男子高生を演じ、その演技とイケメンぶりで注目を集めた約半年後に『仮面ライダービルド』の放送がスタート。ここに、近年の通例を打ち破った犬飼の強みがある。


 『仮面ライダー』といえば、佐藤健、菅田将暉、福士蒼汰、竹内涼真といった人気俳優陣を生み出してきたことで知られるが、彼らはいずれもデビュー翌年、もしくはそれ以前に『仮面ライダー』の主演に抜擢。それゆえ、第1話ではまだまだ演技に初々しさがあり、最終話までの1年を通して役者としての成長が見られるというのが一興でもあった。だが、犬飼は『仮面ライダービルド』で主演を務めるまでに3年以上のキャリアがあり、物語開始当初から演技に安定感が見られた。


 そして、犬飼の演技力はSNSを中心に高く評価され、その声は回を追うごとに驚きへと変わっていく。理由は、なんといっても犬飼の役柄を演じ分ける力。『仮面ライダービルド』で犬飼が演じているのは、主人公の「桐生戦兎」。だが戦兎は、「佐藤太郎」の顔をした「葛城巧」であり……と、物語を見ていなければ混乱してしまうだろうが、つまるところ一作品の中で桐生戦兎だけでなく、ハイテンションなバンドマン・佐藤太郎、クールな科学者・葛城巧、そしてエボルト(悪の存在)が憑依した白髪姿の戦兎、さらには戦兎と巧が共存した人物までをも演じており、ひとり4役あるいは5役という“奇跡”に挑んでいるのである。


 とくに戦兎と巧に至っては、外見はまったく同じ。ゆえに、その表情やセリフ回しといった細かい演技で差別化しなくてはいけない難しさがあるのだが、犬飼はそれをものともしない。声のトーン、視線の移し方、さらには立ち姿からも、その違いは明らか。これらはすべて犬飼の表現力によるもので、それがなければストーリーが成り立たない。しかも、視聴者である“子ども”にもわかるように演じ分けるのだから、称賛されてしかるべきだろう。


 吸い込まれそうな瞳に、クシャッと笑う笑顔、時折見せる切ない表情まで、子どもはもちろん女性たちを虜にする犬飼。顔立ちのみならず、声までステキなのだから、もうお手上げ状態である。さらに、『仮面ライダービルド』公式サイトで不定期配信されている「犬飼貴丈の勝利の法則!」や、公式Instagramなどで見せる“お茶目な一面”もまた魅力的。犬飼の演技力は、もちろん彼の努力の賜物であろうが、それをさらりとやってのけているかのごとく見せる“緩さ”にも、心をグッと捕まれてしまう。


 以前、筆者がインタビューした際に犬飼から感じたのは、地頭の良さと人を惹きつけるオーラ。『仮面ライダービルド』の終幕は寂しいが、この1年でさらに表現者としての才能に磨きをかけた犬飼を、今後ますます目にする機会が増えるに違いない。


(nakamura omame)