鈴鹿10時間初のポールシッターとなった28号車フェラーリ488 GT3のニック・フォスター/デイビッド・ベレル/吉田広樹 インターコンチネンタルGTチャレンジ第3戦・第47回サマーエンデュランス 鈴鹿10時間耐久レースは8月25日、鈴鹿サーキットで13時から『BBSエキサイティング・アタック』と名付けられた予選が行われた。ポールポジションを獲得したのはニック・フォスター/デイビッド・ベレル/吉田広樹組ハブオート・コルサの28号車フェラーリ488 GT3がポールポジションを獲得した。
非常に強い日射しのもと、ひさびさに真夏の暑さが戻ってきた鈴鹿サーキット。この日は『BBSエキサイティング・アタック』のみが行われるスケジュールとなっており、Q1ではドライバーが15分ずつのセッションでそれぞれタイムを記録、3人のドライバーのタイム合算で、上位20台が15分間行われるQ2でのポールポジションシュートアウトに臨む仕組みとなっていた。
多くのドライバーからは、グリップがいい状態は4~5周というコメントが聞かれており、序盤から積極的にアタックが展開されていくものの、35台という台数からトラフィックがあり、そのタイミングが重要となった。
■Q1/ドライバー1
13時にスタートしたドライバー1の予選では、終盤に向けニック・フォスターがアタッカーを務めたハブオート・コルサの28号車フェラーリ488 GT3が2分02秒台に入れていく。次いでローレンス・ファントールがアタックしたクラフト・バンブー・レーシングの991号車ポルシェ911 GT3 Rが続いた。
そんななか、チェッカー周に千代勝正がドライブしたKCMGの018号車ニッサンGT-RニスモGT3が2分03秒007を記録し2番手に浮上するも、本来千代はドライバー3の登録枠だったことから、ベストタイム抹消。最終的に28号車フェラーリが首位、2番手にはダビデ・リゴンがアタックした27号車フェラーリが2番手。3番手には991号車ポルシェが続いていたが、トラックリミットで抹消となり、3番手には元嶋佑弥がアタックしたJLOCの87号車ランボルギーニとなった。
■Q1/ドライバー2
13時30分にスタートしたドライバー2の予選では、デイビッド・ベレルがドライブした28号車フェラーリが2分03秒553でトップに。これにチームメイトの27号車を駆るマット・グリフィンが続いていく。
終盤、2分03秒087をマークしトップに浮上したのは、メルセデスAMG・チーム・グループMレーシングの888号車をドライブするマーロ・エンゲル。しかし、残りわずかというところで2分02秒760をマークし再逆転したのはベレルの28号車フェラーリ。エンゲルの888号車メルセデスAMGが2番手、マキシイリアン・ゴーツがドライブしたメルセデスAMG・チーム・ストラッカ・レーシングの43号車が3番手に続いた。
4番手にはフレデリック・マコウィッキがアタックした911号車ポルシェ911 GT3 Rがつけ、5番手にはフェリペ・フラガがアタックしたストラッカ・レーシングの42号車メルセデスが続いた。ドリス・ファントールがアタックしたアウディスポーツ・チームWRTの66号車アウディが6番手。日本勢では、マルコ・マペッリがアタックしたJLOCの88号車ランボルギーニが7番手。富田竜一郎がアタックしたAudi Team Hitotsuyamaの21号車アウディが8番手につけている。
■Q1/ドライバー3
14時からスタートしたドライバー3の予選。序盤、66号車アウディを駆るフレデリック・ベルビシュが2分03秒162をマークしトップに浮上。さらに後半に向けて、目まぐるしく順位が変動していき、残り3分を切ったところで、ラファエル・マルチェッロがアタックした888号車メルセデスがこのタイムを塗り替えていった。
最終的にドライバー3では888号車メルセデスがトップタイム。66号車アウディ、ミゲル・モリーナがアタックした27号車フェラーリが3番手に。合算でトップを守り続けていた28号車フェラーリは、最後のアタックを務めた吉田広樹が4番手につけた。
ただ、この予選は3人のドライバーの合算で争われる。最終的にトップ20シュートアウトに首位で進出したのは28号車フェラーリ。888号車メルセデスが2番手、27号車フェラーリが3番手で続き、66号車アウディが4番手。ドライバー3人がきっちりとタイムを揃えてきたメルセデスAMG・チーム・グッドスマイルの00号車が5番手となった。
■Q2/シュートアウト
3人のドライバーのタイム合算で上位20台が進出するはずだったシュートアウトは、トラックリミットの審議により当初予定から55分間スタートが遅れ、24台が出走する形式に改められた。15時40分から、各車がドライバーカテゴライズ上位の1名のドライバーを選出し15分間のアタックが展開されていく。
まず2分01秒930と、この週末の最速を叩き出したのはニック・フォスターの28号車フェラーリ。これにダビデ・リゴンがアタックした27号車フェラーリが続き、ハブオート・コルサがワン・ツーを占めていった。
終盤、残り2分というところでラファエル・マルチェッロ駆るメルセデスAMG・チーム・グループMレーシングの888号車メルセデスが2番手へ。さらに、小林可夢偉駆るメルセデスAMG・チーム・グッドスマイルの00号車もセクターベストをつけアタックを展開していった。
しかしそのタイミングで、「前の周で四輪脱輪していたのが分かっていたのでアタックをかけていったのですが、オーバースピードで入ってしまった」という小暮卓史がドライブしていたModulo Drago CORSEの34号車ホンダNSX GT3がデグナーでコースアウト。グラベルにはまってしまい、赤旗中断に。そのまま予選は終了となった。
これでニック・フォスター/デイビッド・ペレル/吉田広樹組28号車フェラーリが記念すべき鈴鹿10時間初のポールポジション、BBSアワードと賞金100万円を獲得。888号車メルセデスが2番手、27号車フェラーリが3番手と、ブランパンGTシリーズ・アジア参戦チームがトップ3を占める結果となった。日本チームでは、Audi Team Hitotsuyamaの21号車アウディが9番手につけた。