福岡・博多のラーメンといえば、白いスープに細麺のとんこつラーメン。そんな博多ラーメンのインスタント麺として1979年に発売された「うまかっちゃん」(ハウス食品)が8月上旬、39年ぶりにリニューアルした。
博多弁で「おいしいよ」を意味する同商品は、九州を中心に人気だ。福岡出身の知人曰く「土曜日のお昼の定番だった」そうで、もはや家庭の味と言ってもいいかもしれない。発売以来、変わらぬ味を貫いてきた「うまかっちゃん」のリニューアル版が、「うまかっちゃん〈濃厚新味〉」だ。
かねてよりうまかっちゃんのファンだった筆者は、味の違いを確かめてみることにした。
食べる直前に入れる調味油も進化 甘め醤油ベースの調味料とネギ油の香りが追加に
リニューアル版は近畿以西の地域で限定販売されている。ハウス食品お客様センターに問い合わせたところ、販売地域外では、オンラインショップでの購入もできないそうだ。神奈川県在住の筆者は博多にある妻の実家にお願いし、探し回ってもらった末に郵送してもらった。
今回のリニューアルでとんこつスープが濃厚になり、麺は1.4ミリから1.2ミリへと、少しスリムになった。ハウス食品が今回のリニューアルに傾ける情熱は凄まじく、公式サイトでは、「細さと硬さを追求するあまり、工場の機械を壊してしまった」というエピソードが紹介されている。試作品は400を超えたそうだ。同社の強い想いが凝縮された味をじっくりと味わいたい。
まず、通常版とリニューアル版のパッケージを比較する。トレードマークの「博多祇園山笠」(博多で毎年7月に行われる伝統的な祭り)の絵は健在だ。細麺を強調する箸上げの構図にも食欲をそそられる。
次に、茹でる前の麺の太さを比較。左が通常版、右がリニューアル版。2ミリの差なので、見たところ違いは良くわからない。
麺の変化点は細さだけではない。油揚げ麺は茹でることで「湯戻り」し柔らかくなるが、湯戻りが良過ぎると麺が伸びてしまう。そこで、リニューアル版では独自の配合と技術で湯戻りしやすさを抑え、硬さを保つ工夫が施された。
食べる直前に加える調味油もリニューアルされた。隠し味に甘めの醤油ベースの調味料、ネギ油の香りが加わっている。
うまかっちゃん歴20年の博多っ子「新しいバージョンのほうが好き!」と絶賛
作り方は、鍋に水500ccを入れて沸騰させ、強火のまま90秒茹でるだけ。通常版は3分なので、茹で時間が半減している。よりスピーディーに仕上がるのは嬉しい。
スープはやや茶色がかっていて、見た目にも濃厚さが分かる。香ばしい香りが食欲をかきたてる。
麺はクセになるコシの強さで、少し時間が経っても硬さは健在。豚骨スープは、味だけでなく香りも強い。スープの絡んだ麺をすするたび、食欲が刺激され箸が止まらない。
ちなみにうまかっちゃん歴20年、博多っ子の妻は「細くて硬めの麺が博多らしい。通常版はやや太めで伸びやすいので、新しいバージョンの方が好き!」との感想だった。
通常版は、あっさり優しいスープで麺も太め
通常版も食べてみる。通常版は茹でるとこんな感じだ。
白いスープに調味油を垂らすと、とんこつ独特の香りが漂い、優しい味のスープと良く合う。あっさり目が好みの方にはぴったりだ。リニューアル版と比べると、麺の太さは一目瞭然。博多ラーメンらしい細カタ麺とは異なるが、太めの麺が好みの方にはオススメだ。通常版とリニューアル版を並べると違いがよく分かる。
濃厚新味のスープは香ばしく、細くて硬い麺がクセになる。販売対象地域の人にお願いし、取り寄せて食べてみてはいかがだろうか。
おまけ:うまかっちゃん濃厚新味を冷やし中華にアレンジ
せっかくなので、リニューアル版をアレンジしてみた。濃厚なスープは麺に絡みやすく、さっぱりと食べたい方にオススメだ。
1人分のレシピは簡単!
1)お好みの具を切り、トッピングを用意する。
2)スープを50ccのお湯で溶き、水をさらに50cc加え、氷を入れて冷やす。ポン酢を大さじ2入れて酸味を出す。
3)麺がゆであがったら冷水に入れて水気を切り、器に盛り付ける。お好みでゆずこしょうを混ぜると風味が出る。
従来品のうまかっちゃんでもできる。お試しあれ!