ティレル002 11月17~18日に鈴鹿サーキットで開催される『RICHARD MILLE SUZUKA Sound of ENGINE 2018』で行われるレース、『Masters Historic Formula One』に出場するマシンの第1弾を発表した。
マスター・ヒストリック・フォーミュラ1は、3リッターエンジンを搭載し、1966年から1985年に製造されたF1マシンで争われるヒストリカルレース。グラウンドエフェクトの有無や年式によって4クラスに分かれており、ヨーロッパ圏でシリーズ戦が行われている。
そんなヒストリカルレースがサウンド・オブ・エンジン2018で東アジアに初上陸を果たし、レースが行われる。
レースには約20台のF1マシンが出場を予定しており、今回はその参戦マシン紹介第1弾として5台のマシンが発表された。
今回紹介されたのは1970年代に活躍したマシンで、ティレル002とマーチ721G、シャドウDN1、ヘスケス308B、サーティースTS16の5台。いずれも往年のF1ファンにはたまらないマシンばかりだ。
マスター・ヒストリック・フォーミュラ1も開催されるサウンド・オブ・エンジン2018は11月17~18日の2日間、鈴鹿サーキットで開催。チケットは9月23(日)より販売スタートとなる。
Masters Historic Formula Oneレース出場マシンVol.1
1971 Tyrrell 002(Stewart Class)
ティレル002は1971年シーズン用に製作された、セカンドドライバーのフランソワ・セヴェール専用マシン。基本的な構成は前年デビューの001と同じだが、長身のセヴェールに合わせたロングホイールベース・シャシーが最大の特徴。
開幕戦の南アフリカでデビュー。当初はウイングノーズだったが、イギリスGPからスポーツカーノーズを使用し、最終戦アメリカGPでは苦戦を強いられつつもセヴェールが生涯唯一の勝利を飾っている。
オーナー&ドライバーは昨年001で出場した世界的なティレル・コレクターのジョン・ディレーンである。
1972 March 721G(Stewart Class)
DFVとアルファロメオ製ギヤボックスの間にデフを配置する特異なレイアウトでデビューした1972年用の721Xが失敗に終わったのを受け、F2の722をベース(71年終盤に711ベースで作られた721とは別物)に急遽9日間で設計されたといわれる1台。
しかしながらワークスのロニー・ピーターソンとニキ・ラウダのドライブで善戦。ドイツGPではピーターソンが3位表彰台を獲得している。シーズン終了後に改修され翌年も731として使用されたほか、1台がヘスケス・レーシングに売却され、若き日のジェームス・ハントもドライブした。
1973 Shadow DN1 (FittipaldiClass)
ドン・ニコルズ率いるシャドウ・レーシング・カーズ初のF1マシン。設計を担当したのはBRMから移籍したトニー・サウスゲートで、有機的なボディフォルムが特徴。
ジャッキー・オリヴァーとジョージ・フォルマーの2カー体制で第3戦南アフリカGPから参戦を開始している。当初はシャシーの剛性不足が指摘されたが、シーズン中に2度の3位表彰台を獲得。
キース・フリーサーの所有するシャシーナンバーDN1-6AはドイツGPから投入された個体で、第14戦カナダGPではオリヴァーが3位入賞を果たした履歴をもつ。
1974 Hesketh 308B (Fittipaldi Class)
レース好きの大富豪、アレキサンダー・ヘスケス卿が設立したヘスケスは、マーチ731を購入してジェームス・ハントとともに73年からF1挑戦をスタート。74年には元マーチのハーベイ・ポスルスウェイトが設計したオリジナルマシン308を投入する。
昨年のSUZUKA Sound of ENGINEにも参加したジェームス・ヘイガンのマシンはシャシーナンバー「1」で、4月にブランズハッチで行われた非選手権のBRDCインターナショナル・トロフィーで優勝した個体そのもの。シーズン後半にサイドラジエターの308Bにアップデートされ、今もその仕様に保たれている。
1974 Surtees TS16 (Fittipaldi Class)
サーティースは、世界で唯一WGPとF1のワールドチャンピオンに輝いたジョン・サーティースが設立したコンストラクター。TS16は1974年用にサーティース自身が中心となって開発したマシンで、ドライバーはカルロス・パーチェとデレック・ベルが務めた。
しかしながら74年の入賞はブラジルGPでのパーチェの4位のみ。スポンサーのマッチボックスの関係でプラモデルやミニカーが発売されたこともあって、50代前後の方には馴染みのあるマシンといえるかもしれない。