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AAA「DEJAVU」MVのダンスを機に考える、振り付けの新たな可能性

2018年08月24日 18:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 2年連続の4大ドームツアーが決定しており、来たる8月29日には1年半ぶりのニューアルバム『COLOR A LIFE』を発売するAAA。


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 そのアルバムに収録されている新曲「DEJAVU」だが、EDMを取り込んだアッパーなサウンドがオーディエンスを鼓舞する、これまでのAAAの楽曲の中でも随一と言えるハードさを感じさせるナンバーだ。これまでも「NEXT STAGE」など、EDM的な要素を取り入れた楽曲は存在したが、今回はよりフロアライクで即効性のある楽曲になっており、新たなキラーチューンと表現しても差し支えないかと思う。


 特筆すべきなのは、公開されたMVのメンバーのダンスの振り付けだ。通常、この手の楽曲ではかなり難易度の高い振り付けが当てられるが、本作は冒頭から終始、それほど難しいと思われるものはない。ダンスの経験が全くない者でも、練習すれば習得できそうなものだ。


 極め付けはサビで見せる「Vダンス」。体を揺らしながら「V」を模した動きをする振り付けは、前作「LIFE」で見せた「Lダンス」に続き、キャッチーで思わず真似したくなるように計算されている。


 AAAはこれまでも、徹底して真似したくなる振り付けを意識的に行ってきている。「Get チュー!」のサビで腕を伸ばす仕草や、「LOVER」のハートを作る振り付けをはじめとして、「Winter lander!!」「MUSIC!!!」など、ライブで観客が一体となって行っている振り付けは多く、それがAAAのライブの醍醐味の一つにもなっている。曲を一緒に歌うだけでなく、一緒に楽しむために振り付けを覚えて会場に向かう。一見ハードルが高いように見えるが、その場で見様見真似でやっても楽しめる手軽さがいいのだ。


 YouTubeやニコニコ動画などの動画投稿サイトの登場以降、ダンスは“共有”するものになった。ミュージシャンのダンスを真似したり、自分でつけてみたオリジナルのダンスを踊って見せたり。それに共感が集まって、才能が開花することも増えた。今はその先にきており、Tik Tokで音楽に乗せて15秒だけ踊っている動画でたくさんの共感や発想が生まれている。


 先日、Tik Tokで宇野実彩子と與真司郎が流行中の「全力〇〇!はじめるよ」動画を投稿して話題となった。もしかすると、AAAはこうしたショートコンテンツのコミュニケーション手段として自分たちの曲を使ってもらうことで、ダンスのエンターテインメントとしての可能性を広げることまで視野に置いているのかもしれない。これまで共に歌い、共に踊ることまでもユーザー目線で向き合ってきた彼ららしい新たなチャレンジではないだろうか。(石川雅文)