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F1ベルギーGP木曜会見:ホンダへの懸念は否定、リカルドが2019年のルノー移籍を決断した訳

2018年08月24日 12:21  AUTOSPORT web

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2018年F1第13戦ベルギーGP 2019年はルノーに移籍するダニエル・リカルド、レッドブルに昇格するピエール・ガスリー
夏休み期間中に、さまざまな発表があったか、F1第13戦ベルギーGPを前にしたFIAの木曜会見は、久しぶりに2部制で行われた。今回はその中から、注目のドライバーの興味深いコメントを紹介してみたい。

 まずは、質問が集中したレッドブルのダニエル・リカルドから。8月3日に発表されたルノーへの電撃移籍は、メディアやファンだけでなく、レッドブル関係者にとっても大きな驚きだった。移籍の理由を尋ねられたリカルドは、こう説明した。

「去年からずっと考えていたことだった。2018年に入って、マックス(・フェルスタッペン)が契約を延長したとき、何かが自分の中で変わったと思う。『何かを変えたいのなら、いまだ』と。だって、今年、僕はレッドブル・レーシングで5年目のシーズンを送り、レッドブルとの付き合いはジュニア時代も含めると10年目なんだ。心の中で、そろそろ変化を起こすのに正しい時期なんじゃないかって感じても不思議じゃないよ」

 レッドブルが2019年からホンダを使うことに懸念があったのかと尋ねられると、リカルドはきっぱりと否定した。

「来年、レッドブルがホンダを搭載してどうなるのかは、確かに不透明なことだと思う。でも、それが移籍の最大の理由じゃない。F1では来年のパフォーマンスがどうなるのかなんて、いつも不透明だよ。僕が移籍するチームだって、来年に関して、保証されたものはなにもないんだから」

 次に質問が多かったのが、2019年はF1でレースをしないことを発表したマクラーレンのフェルナンド・アロンソだった。なぜ、アロンソは来年、F1でレースをしないのか?

■2019年はF1に参戦しないフェルナンド・アロンソとレッドブルに昇格するピエール・ガスリー


「もし、あなたが世界で最高のドライバーたとしたら、挑戦すべきことは2つしかない。ひとつはF1で8回のチャンピオンに輝くこと。もうひとつは、トリプルクラウンだ。いまのF1は2つのチームしかタイトルに挑戦することができない。もう僕が若いときに感じていた魅力がF1にはなくなってしまったのが大きな理由だ」


 では、今回の発表は、事実上の引退なのか?
「そうだね、現時点では。でも、この世界は常に変化する。僕のこれまでのレース人生はいつもそうだった。だから、2020年はどうなるのかはいまはわからない。僕は水晶玉を持っていないから」

 3番目に質問が多かったのが、リカルドの代わりにトロロッソ・ホンダからレッドブルへ移籍するピエール・ガスリーだった。
「ダニエルが移籍するという発表はヘルムート(・マルコ)から電話で知らされたんだ。そして、彼はこう言ったんだ。『だれを代わりにするかはもうしばらく時間がかかる』とね。普通なら、そんな電話をもらったら、レッドブルに乗れるかどうか悩むはずなんだけど、そのとき僕は夏休み中で旅行に出かけていたから、とりあえずバカンスを楽しむことにしたんだ(笑)。そうしたら、しばらくしてヘルムートから電話が来て、『おまえをレッドブルのドライバーとして迎え入れる』って言われたんだ。そりゃ、飛び跳ねて、喜んだよ」

 ガスリーがその電話を受けたとき、下着姿のまま家中を走り回り、プールへ飛び込んだという。しかし、それはちょっと刺激すぎると感じたのか、記者会見では口にせず、レッドブル公式サイトに綴るにとどめたのは、賢明な判断だったようだ。