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WEC:澤圭太、2017年優勝のシルバーストン戦は5位完走。「富士では優勝を取りに行く」

2018年08月23日 19:42  AUTOSPORT web

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澤圭太が所属するクリアウォーター・レーシングの61号車フェラーリ
2018/19年のWEC世界耐久選手権は8月19日、イギリス・シルバーストンで第3戦シルバーストン6時間が行なわれ、2017年から同シリーズのLM-GTEアマクラスにフル参戦している澤圭太が所属するクリアウォーター・レーシングの61号車フェラーリ488 GTEはクラス5位で完走。シリーズランキング2番手を維持している。

 記録的な猛暑に見舞われている日本とは打って変わって、気温20度前後と涼しい気候のなかで開催されたWEC“スーパーシーズン”第3戦シルバーストン。

 前戦のル・マン24時間をクラス8位という結果で終えるも、シリーズランキングでは2番手に食い込んだクリアウォーター・レーシングは、金曜の走り始めから低温のコンディションに対応するクルマづくり進め、そのなかでル・マン仕様のソフトタイヤを最大限に活かせるセットアップを見つけることに成功した。

 その結果、61号車フェラーリは金曜のフリー走行からライバルのアストンマーチン・バンテージやポルシェ991 RSR勢に引けを取らないタイムを記録してみせる。迎えた土曜の予選ではチームメイトのマット・グリフィンとウェン-サン・モクの2名がアタックを行ない9台中8番手に留まったが、これは決勝で履くソフトタイヤを温存したためだ。

 日曜の決勝は今回もクリアウォーターの“勝利の方程式”とも言える澤スタートを採用。

 レースウイークの前日、16日に42歳のバースデーを迎えたばかりの澤は、スタート直後の1コーナーで前方のLMP1マシンが起こしたアクシデントによる後続の混乱をうまくすり抜け、一度は5~6番手までポジションを上げてみせる。しかし、直後に起きた別の混乱のなかで接触を避けるためにコース外へ。これでクラス最後尾に逆戻りすることになってしまった。

 それでも波乱のレース最序盤を無傷で乗り越え、本来のペースを維持する61号車フェラーリは、ダメージを負ったライバルたちが予定外のピット作業を強いられたこともあり、早々にクラス5番手へポジションを回復する。

 また、澤は自身の持ち味である燃費の良さを活かした走りでピットインを遅らせ、見事クラストップ3圏内でオーナードライバーのモクにバトンをつないでいく。

■10月のWEC富士では2017年のレースで逃した母国優勝を

 レース中盤、そのモクがピットレーンでスピード違反を犯したことでドライブスルーペナルティを受けた61号車フェラーリだったが、レース折り返し直前に導入されたセーフティカーランによってギャップを縮め、トップから15秒差の4番手で中盤戦へ。

 その後、ピットアウト直後にフルコースイエローが出される不運に見舞われながらも、澤のドライブするフェラーリは2分01~02秒台の好ペースでラップを重ねていき、クラス6番手でエースのグリフィンに交代。最後はグリフィンが2分00~02秒という渾身の走りで前を走るガルフ・レーシングの86号車ポルシェを交わしてクラス5番手に上がるも、これ以上のポジションアップは叶わず。昨年デビューウインを達成した地でクラス5位フィニッシュとなった。

「本当にポルシェとアストンマーチン勢の速さと強さに対抗するのが難しい週末でした」とレースを振り返った澤。

「低温のシルバーストンだからこそできた柔らかめのル・マン仕様タイヤをもってしても、まだ(グリップ力が)足りない部分がある上に、シルバーストンのようなハイグリップサーキットでソフトタイヤを使っているにもかかわらず、ピックアップ問題とも戦うことになりました」

「しかし、そんな厳しい条件のなかでもスタートで持ち味である粘り強いレースを展開でき『表彰台圏内でゴールができるかも』という期待を持たせて次(のドライバー)につなげられたし、3人のドライバーはほぼノーミスでベストの内容と言えるレースでの5位ですから、表彰台に届かなかった割にはチームの雰囲気はすごく明るいと言えます」

 今回、42回目の誕生日を迎えた直後のレースとなったが、澤はまだまだ自身の成長を感じると言う。

「42歳を迎えて初のレースウイークでしたが、公式戦185戦を戦ってなお、まだ自分の中で成長を感じ、チームから信頼を得て走れる喜びがあります」

「次はいよいよチームにとっても、僕個人にとってもホームコースと言える富士戦です! 世界選手権ドライバーとして2回目の凱旋レースになりますので、(優勝が見えたなかで2位に終わった)昨年のレースでの忘れ物を取りに行くべく、今までどおりの“ベストを尽くす走り”に徹して、応援に来てくださるたくさんの方々の前で良いレースをしたいと思っています」

 LM-GTEクラスランキング2位を維持して第3戦終えた澤圭太とクリアウォーター・レーシングの“ホームレース”、WEC第4戦富士6時間は10月12~14日、静岡県の富士スピードウェイで開催される。