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登坂広臣 × HONEST BOYZ®など夢のコラボ続々! 『PKCZ®×HiGH&LOW』イベントの衝撃

2018年08月22日 18:22  リアルサウンド

リアルサウンド

 「『HiGH&LOW』を永遠に続かせるのは、あなたたちです!」


参考:新生EXILEはオールスターのクリエイティブ集団へ 新たな幕開けを徹底解説


 アーティストたちが勢揃いするステージに現れた平沼紀久監督は、最後に、熱狂するオーディエンスたちに向けて力強く言い放った。8月21日、幕張メッセで披露されためくるめくパフォーマンスの連続は、まさに“総合エンタテインメント”を謳うにふさわしく、このプロジェクトがどこまでも拡張していくことを信じさせる説得力があった。一人ひとりのキャラクターに込められた詳細な裏設定は、そのままLDH所属アーティストたちの人生とも交差している。彼らが表舞台に立ち続け、応援するファンがいる限り、この祭りは終わらないのだ。


 EXILE HIROが企画プロデュースを行う『HiGH&LOW』は、リアルとファンタジーがコラボした世界観で、映画、ドラマ、動画配信、コミック、SNS、アルバム、ライブなど、あらゆるメディアを巻き込んだ総合エンタテインメント・プロジェクトだ。最新作となる映画『DTC -湯けむり純情篇- from HiGH&LOW』は、本編ストーリーのスピンオフという位置付けの作品で、山王連合会のダン(山下健二郎)、テッツ(佐藤寛太)、チハル(佐藤大樹)の3人組(通称、DTC)が、高鳴る鼓動と青春を求めて、行く先も決めずにバイクで旅に出るさまを描く“純情”ムービー。この日のイベント『PKCZ(R)×DTC -湯けむり純情篇- from HiGH&LOW 完成披露試写会&PREMIUM LIVE SHOW』は、同作の公開を記念してPKCZ(R)とコラボして行われたもので、全国で約2万人(幕張メッセ本会場来場者1万人 全国ライブビューイング鑑賞者1万人)のファンを動員した。


 『HiGH&LOW』シリーズの映画は、これまでスピンオフを含めて4作が公開されている。山王連合会、White Rascals、鬼邪高校、RUDE BOYS、達磨一家という5つのチームが集う通称「S.W.O.R.D.地区」を舞台に、伝説のチーム・ムゲンや日本の裏社会を支配する九龍グループ、湾岸地区の新鋭勢力・MIGHTY WARRIORSなどが入り乱れて戦うさまを、規格外のスケールのアクションとともに描き、日本映画の常識を覆してきた。しかし本作『DTC -湯けむり純情篇- from HiGH&LOW』は、劇中でコメディリリーフ的な役どころであるDTCの3人を主役に据えて、なんと“アクションなし”を売り文句にしている。いつだって予想の斜め上を行くのが同シリーズの魅力だが、彼らが喧嘩をしないで、他にいったい何をするというのだろうか?


 大勢のファンたちとともに、固唾を飲んでスクリーンを見つめていると、いよいよ映画本編がスタートする。色違いのスーツで決めた3人が向かった先は、アメリカのレトロな小劇場を思わせる建物。階段を降りていき、一杯のテキーラを飲み干すと、音楽がスタートするのに合わせて3人が歌いながら流麗なダンスを披露し始めるーーまさかのミュージカル展開だ。しかも、ワンカット撮影。思えば『HiGH&LOW』シリーズは、LDH所属アーティストの運動能力の高さを活かしたアクション映画だったが、彼らの本職はダンサーである。歌って踊るミュージカルが苦手なはずはない。


 その意表を突いた冒頭から、3人の和気藹々としたロードムービーへ。さらに温泉街での大人の恋の物語を、笑いを交えつつ、テンポ良く描き出していく。本家『HiGH&LOW』シリーズとは全く異なる方向性のエンタテインメントに、シリーズの懐の広さを感じずにはいられない。大団円は涙なしには見れないほど感動的で、ファミリー映画としてもオススメできるほど温かなメッセージが込められていた。


 映画本編終了後、同シリーズではお馴染みとなった立木文彦(本編にも役柄のひとりとして登場している)のナレーションが会場に響くと、PKCZ(R)の衣装を模したハッピに身を包んだDTCが登場。劇中と同じように、おどけた調子でPKCZ(R)の機材を触るなどして、会場を笑わせる。そこに本物のPKCZ(R)がやってくると、いよいよライブがスタートする。


 PKCZ(R)は、EXILE HIROがプロデュースし、DJ MAKIDAI、VERBAL(m-flo)、DJ DARUMAがパフォーマンスを行うクリエイティブ・ユニットだ。LAを代表するラッパーであるスヌープ・ドッグとフィーチャリングを果たすなど、世界を見据えた展開で音楽業界の注目を集める一方で、LDHのファンにもお馴染みであり、いまや彼らが出演するとなれば会場が大歓声に包まれるほど人気を博している。というのも、PKCZ(R)はDJセットを軸に、思いがけない豪華コラボを実現するのを得意としていて、LDH所属アーティストを横断的に繋ぐ役割も果たしているからだ。まさにアーティスト版の『HiGH&LOW』ともいえる存在で、この日もインパクトのあるコラボライブを次々と披露してみせた。


 PKCZ(R)が「PLAY THAT」などのアッパーチューンをスピンした後に、まず登場したのは、映画主題歌「YOU & I」を手がけたDOBERMAN INFINITYの面々だ。『HiGH&LOW』では、MIGHTY WARRIORS所属のパールを演じる野替愁平ことSWAYを擁する5人組のヒップホップグループで、この日披露した「Do or Die」などは『HiGH&LOW』ファンにも人気が高い。ライブ映えするマイクさばきは流石の一言で、ラストには彼ら自身がプロデュースする若手7人組・BALLISTIK BOYZとともに「SAY YEAH」を力強くパフォーマンスした。


 続いて登場したのは、EXILE/三代目J Soul BrothersのNAOTOが率いるHONEST BOYZ(R)。アパレルブランド『A BATHING APE』の創業者として世界に名を轟かせるNIGO(R)がDJを務め、VERBAL、EXILE/GENERATIONSのMANDY、DOBERMAN INFINITYのSWAYもラッパーとして参加する豪華メンバーのヒップホップグループで、しかもこの日はGENERATIONSの佐野玲於までゲスト参加している。PKCZ(R)のDJ DARUMAは、00年代中期のエレクトロシーンで絶大な人気を誇ったDEXPISTOLSの元メンバーであり、DJ MAKIDAIはかつてBABY NAILとして東京のアンダーグラウンドのダンスシーンで名を馳せた人物だ。しかも、全員がLDHの中でもファッション感度の高いメンツである。そう考えると、このステージは90年代~10年代のストリートカルチャーの縮図にも見える。まさかこんな共演が実現するとは、本人たちも想像していなかったのではないだろうか。さらに、NAOTOの呼び込みで、挿入歌「BEPPING SOUND」でフィーチャリングした三代目 J Soul Brothersの登坂広臣ことHIROOMI TOSAKAが登場し、同曲を披露すると、会場からは悲鳴にも近い歓声が上がった。


 ここで、ブレイクタイム(?)として、カニ男(八木将康)と尾沢(天野浩成)による“縦笛兄弟”が客席後方から登場。さらにDTCが合流し、劇中歌の「いいこと」を生披露する。普段、ダンこと山下健二郎は三代目 J Soul Brothersで、チハルこと佐藤大樹はEXILE/FANTASTICSでパフォーマーとして活躍しているが、この日は初めてマイクを持ち、その歌声とリコーダーを披露する。しかも、映画の宣伝のため、チハルから「動画撮影OK」の許可が。これもファン同士の盛り上がりを大切にする『HiGH&LOW』らしい粋な計らいといえよう。


 そして最後は、八木将康の実兄であるEXILE SHOKICHIがステージに登場。オープニングテーマとなった「Futen Boyz」を初披露し、そのまま「Underdog」、 「Y.L.S.S Remix」、「HERE WE GO」と熱量の高いナンバーを続けて歌い上げた。さらに、全員がステージに上がり、DOBERMAN INFINITYとともに主題歌「YOU & I」をパフォーマンスし、この日のイベントは幕を閉じた。


 LDH所属アーティストの連帯と底力が感じられた『PKCZ(R)×DTC -湯けむり純情篇- from HiGH&LOW 完成披露試写会&PREMIUM LIVE SHOW』。この日の発表で、『HiGH&LOW』シリーズは今後、『クローズ』などの作品で知られる漫画家・高橋ヒロシ氏とのコラボも予定していることが明かされた。この作品もきっと、『DTC -湯けむり純情篇- from HiGH&LOW』に負けないくらい、ファンたちの期待を超える斬新なコンテンツとなるに違いない。(松田広宣)