OIRC team YTB
2018全日本F3選手権第10戦、11戦、12戦(岡山国際サーキット)レースレポート
#8 YTB F318
ドライバー:片山義章(かたやま よしあき)
生年月日:1993年11月13日
身長:168cm
体重:65kg
血液型:O型
●2018年後半戦に突入!表彰台争いが激しくなる!
2018全日本F3選手権も後半戦へと入り中団グループの争いが熱くなってきた。圧倒的な強さで逃げる#36坪井翔(カローラ中京Kuo TOM’S)に挑戦権を持つ#37宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM’S)のふたりにチャンピオン争いが絞られつつあるなか、ランキング3位争いは混沌としたなかから、頭ひとつ抜け出しつつある#2坂口晴南(TODA RACING)を#12笹原右京(ThreeBond Racing)、#93大湯都史樹(TODA RACING)に加え調子を上げてきた#1金丸悠(B-MAX RACING)が追う展開に。
シーズンランキング4位を巡ってまだ十分にチャンスのある、#8片山義章(OIRCteamYTB)、#35河野駿佑(RS FINE)も加わり混戦となるのか? 中段グループの激しい攻防戦に注目が集まる。
●表彰台を争うグループの中でレースができるようになった
第10戦 予選:8番手 決勝:6位
まだまだ夏日の続く日本列島、スーパーフォーミュラ第5戦との併催で行われた全日本F3選手権、土曜日の第10戦は、湿度が低く心地よい観戦日和となった。
前日の練習走行でこれまでのセットアップを大きく変更し走行した#8片山は、上位勢がコンスタントに1分44秒台を刻むなか、45秒を切ることができず不安を抱えて予選に挑むことに。チームは監督のリチャードライアンを中心にマシンを再セットアップしコースへと送り出すと、自己ベストを更新しながらアタックし1分44秒622と44秒台へと入るも、混戦の中段争いは4位の#93大湯のわずかコンマ3秒遅れながら8位という順位を受け入れることになった。
午後の決勝レースも快晴、4列目からのロケットスタートに期待が集まるなか見事に応え、#8片山のスタートは冴え渡り、#12笹原、#2坂口さらに#35河野までをもかわし1コーナーを立ち上がり5位へと浮上するも第3コーナーで#2坂口に抜き返されるとバランスを崩した所を#12笹原に、さらに#35河野にピタリと背後に疲れると第5コーナーで交わされ8位で1周目を終えた。
2周目に入ると前を行く#12笹原に#35河野が仕掛け第3コーナーで両者が牽制し合う一瞬の隙をついて#8片山が#12笹原のインに飛び込み7位に浮上すると先ほど抜かれた第5コーナーで#35河野のインへ迷わず飛び込み順位を6位へと押し上げた。
#8片山はここから1分45秒後半のタイムをコンスタントに刻みながら、5位を46秒前半で走る#2坂口を徐々に追い詰めて行く、3位の#93大湯まではわずかに3秒差、後続を引き離しながらコンマ2ずつジワジワと#2坂口に迫って行く。
10周終了時点で#2坂口をコンマ4まで追い詰め戦闘態勢に入った矢先、4位の#1金丸が90度コーナー立ち上がりをオーバーランで車を路肩に落とし#2坂口、#8片山とのギャップが一気に無くなり3台がテールトゥノーズの展開となるも第5コーナーで#8片山はバランスを崩し一歩後退。残り3周タイヤをコントロールしながら自己ベストを更新し#2坂口を最後まで猛追するも1歩届かず6位でゴール貴重な1ポイントを獲得した。
片山義章コメント
「練習走行で、なかなかマシンが決まらないなかで、車載カメラの調子も悪くてリチャードからのドライビングアドバイスも受けられなくてセットアップが進まず上位勢がコンスタントに1分44秒台で走行するなか、45秒台から抜け出せないまま走行を終えました。ちょっとストレートが遅い感じがあったのですがチームが懸命に作業してくれて予選へと送り出してくれました」
「クルマの感触は良くなっていて44秒台で自己ベストを更新しながらラップを刻みましたがコンマ3秒の中で5台が入る混戦のなか8位という結果になりました。レースのスタートはまずまず良くて何台か抜きました、その後ブロックが甘くて晴南くんにインに入られてしまってタイヤ同士が少し触れて飛び出してしまって右京くんにも前に出られて走りが乱れた所を河野くんにも抜かれてスタートポジションまで戻してしまいましたが、2周目で前のふたりがやり合ってる隙をついて今度は僕が抜き返すことができました」
「晴南くんが結構前に行ってしまっていたんですけど、僕のペースの方が速かったのですがなかなか接近できませんでしたが晴南くんの前を走っていた金丸くんがミスをして差が一気に縮まったので抜きたかったんですけど、ブレーキングで止まりきれず膨らんでしまって離されてしまいました。そこからはリヤタイヤが苦しくなって追いかけることができなくなってしまいました。もう少しやれたかなという思いがあるので明日のレースではもっと上を目指します」
●小さなミスが結果を大きく左右する
第11戦 予選:8番手 決勝:リタイア
8時20分いう早朝レースとなった第11戦、予選のセカンドタイムが採用されるルールにより#8片山は8位からのスタートとなったレースは、またもや魔法のクラッチミートでスタートを決めると、#12笹原に「僕のスタートも良かったのに片山選手があっという間に先に行ってしまったんです。コクピットの中で思わず笑ってしまうほどでした」と唸らせふたつポジションを上げて6位で1コーナーを駆け抜けるも、90度コーナーでミスをし膨らんだところを#12笹原に抜き返される。
表彰台争いは3位の#1金丸を先頭に等間隔で#93大湯、#2坂口、#12笹原、#8片山と続き3周目へと入って行くと5コーナーで#12笹原が#2坂口のインへ切り込みオーバーテイク、勢いに乗った#12笹原は#93大湯をかわし4位へと浮上する。#12笹原、#93大湯、#2坂口の3台でのバトルでペースが落ちた所を#8片山が詰め寄る。
#93大湯と#2坂口のバトルにより一気に抜き去るチャンスが来るも、バランスを崩し抜き出ることができず乱れた隙を背後に迫った#35河野、#21藤浪清斗(B-MAX RACING)の2台にまとめて抜かれると#14根本悠生(Albirex-RT)にも背後にピタリとつけられてしまいヘアピンで抜かれ10位までポジションを下げてしまう。
#14根本を追走しながら徐々にレースペースを取り戻し11周目のS字コーナーで抜き返すと喰いさがる#14根本がテールトゥノーズのままダウンヒルストレートへと入って行く。ここでインを締めて逃げる#8片山に#14根本がまさかの追突、#8片山は大きくスピンを喫し、車はガードレールにヒット、クラッシュしてしまいリタイヤとなった。レースはポールからスタートした#36坪井が最後までポジションを譲ることなく勝利した。
片山義章コメント
「8位スタートで、いつも通り良い蹴り出しで2台くらい抜いて1コーナーを抜けたんですけど、その先で前の車に追いついた時にダウンフォースを減らしていた影響もあって挙動が乱れた所を続けざまに抜かれてしまって大きくポジションを落としてしまいました」
「その後走りを取り戻して根本くんをS字で抜いてバックストレートに入って行きました。根本くんは僕のスリップに入っていたんですけど、僕はイン側を譲らないってイン側に逃げてたんですけど根本くんがなぜか空いてないイン側に車を振ってからアウト側にステアリング切って僕を抜こうとして、その時には僕とのスペースは残っていなくて、彼のフロントウィングが僕のリヤに当たってスピンしてしまいました」
「『なんで?』って思いましたがレース後にすぐに根本くんが駆け寄って来て謝ってくれたので、もう1レースあるし気持ちを切り替えることにしました」
●十数周に渡りポジションを守れた経験は大きい
第12戦 予選:6番手 決勝:5位
石浦宏明選手の今季初優勝し興奮覚めやらぬスーパーフォーミュラ 第5戦の余韻が残るツインリンクもてぎ。強い西日がホームストレートに差し込むなか、第10戦のリザルトが予選順位となるレースで#8片山は前戦でクラッシュしたマシンを修復し、3列目6位からのスタートとなった。
マシンの感触を確かめるようにスタートした#8片山は6位を守って1コーナーへと入って行く、3コーナーへと侵入すると#2坂口がバランスを崩し、5位へと浮上し2周目に入ると背後に迫る#2坂口がまたもや3コーナーでスピンし、大きく順位を下げた。
#8片山は3位争いをする#93大湯、#1金丸の表彰台争いに加わることができず離されて行く。3周目から5位争いの先頭となった#8片山は、#14根本、#35河野を従えメルセデスエンジン勢で隊列組んで10周目まで並走、後ろを見ながらの苦しい展開のなか、11周目に#35河野が#14根本を捉え6位に7位に落ちた#14根本の背後にはなんと第10戦でリタイアし最後尾からスタートした#12笹原が追いついて来る。
15周目に#12笹原が#14根本を捉え7位に上がると5位を争う#8片山、#35河野にジワリジワリと近づき19周目には3台三つ巴の戦いへと進みファイナルラップへ、#12笹原は#35河野に仕掛けるも20周で行われたレースでバトルするだけのタイヤは残っておらずそのままの順位でゴール、#8片山は5位2ポイント獲得。
17周に渡り5位争いをした#35河野は「僕と片山選手の速い所と遅い所が違っていて、後ろに付いても抜くまでには至らず20周のレースでタイヤもギリギリでチャンスはなかったですね」と語った。
優勝は#36坪井がポールポジションから譲ることなく週末の3レースすべてをポール・トゥ・ウイン・フルマークで締めくくった。
片山義章コメント
「スタートは、前のレースより路面グリップが上がっていたので、それを計算して少しやり方を変えようかな? と思いつつも『真面目にスタートするぞ!』って(笑)そしたらみんなも真面目に? 無難なスタートしてそのままの順位で1コーナーを抜けて行きました」
「3~4コーナーに入って晴南くんがバランスを崩して膨らんだので前に出て5位に上がりました。2周目に入って僕も3~4コーナーでバランスが崩れてグラッとしちゃって、後ろ見たら晴南くんがスピンしていて、『あれ?なんかやっちゃったかな(苦笑)』」
「その後もリヤがフラフラで攻めることができず金丸くんを追いかけることができませんでした。周回数が多いレースで根本くんと河野くんに抜かれないようにするのが精一杯でした。ラスト数周でミラーに右京くんが見えた時は『あぁ右京が来たら嫌だなぁ』って思いましたよ」
「とにかくこのレースの僕は遅かったのでとにかくミスをしないように車の状態把握と無線のリチャードからのアドバイスを聞きながら苦しいのは僕だけじゃないって最後まで集中して走りました」
次戦岡山に向けて
「次戦はホームコースの岡山です。前回のレースでは悔しい思いをしましたが一番練習してきたコースですし次回はなんとしても表彰台に立ちたいです。いや立ちますので、みなさん応援よろしくお願いします。頑張ります!」