レッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコは、ダニエル・リカルドがなぜ急にルノーF1へと移籍する気になったのか、いまだに理解できないと語る一方で、その理由について彼自身の見解を示した。
2018年末で契約が切れるリカルドは、他チームへの移籍を検討しつつ、レッドブルとも交渉を行った。ハンガリーGPでリカルドは、レッドブル残留がほぼ決まったと示唆していたが、その翌週、2018年末でレッドブルを離れ、2019年からルノーに加入するという驚きの発表がなされた。
レッドブルが所有するテレビチャンネルServus TVにおいて、マルコはこの電撃発表が行われた経緯を明かし、いまだにリカルドが気持ちを変えたことが理解できないと語った。
「私には(リカルドが気持ちを)変えたことが理解できない」とマルコ。
「本当に変な話だった。交渉は簡単には進まなかった。だがオーストリアGP前の水曜には、彼と2時間にわたって話をし、条件について合意した」
「ハンガリーで彼は、私と(レッドブルのオーナーであるディートリッヒ・)マテシッツに対し、すべてがOKであり、テストが行われる火曜にはサインをすると言った。しかし結局そうしなかった」
「木曜の午後、彼から電話がかかってきた。声が変な感じだった。『要点を話せ。大人同士なんだから』と私が言うと、彼は『ルノーに行くことにした』と言った」
■ヘルムート・マルコが推測する、リカルドが移籍を決めたふたつの理由
リカルドがレッドブルからルノーに移籍することに決めた理由は、レッドブルが2019年からパワーユニット/エンジンをルノーからホンダに変更することと、ルノーから莫大な契約金を提示されたことなのではないかと、マルコは推測している。
「私が思うに、彼はホンダのプロジェクトを信じていないのだろう。さらにルノーは多額の契約金を提示したのだと思う。しかしながら、(ルノーに行ったことで)彼はしばらくは(表彰台で)“シューイ”をするのは難しくなるだろう」
「彼はジュニアドライバー時代を含め、10年をレッドブルと共に過ごした。変化を必要としていたのかもしれない。“隣の芝生は青い”と感じてしまう気持ちは分かる」
「ただ、残念でもある。彼は間違いなく現役ドライバーのなかで最強のひとりだ。あのオーバーテイクのスキルは見事としか言いようがない。相手がオーバーテイクされたことを気付かないうちにやってのける」
「しかし予選ではマックス(・フェルスタッペン)ほどの結果を出していない」
レッドブルは、リカルドの後任として、現在トロロッソ・ホンダで走るピエール・ガスリーを選んだことを今週発表した。