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星野源、“座長”としての風格 Twitterトレンド世界1位など反響相次いだ『おげんさんといっしょ』

2018年08月21日 18:32  リアルサウンド

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 星野源の冠番組『おげんさんといっしょ』(NHK総合)が、8月20日に放送された。特別番組として2017年5月に生放送された『おげんさんといっしょ』。ゆるい雰囲気のなか、緻密に練られた演奏や星野の音楽偏愛トークが聞けることで大好評を博し、第55回ギャラクシー賞奨励賞を受賞した番組だ。約1年半ぶりの放送となった今回は、星野源(おげんさん)、高畑充希(お父さん)、藤井隆(長女)、宮野真守(CV:おげんさんちのねずみ)の他、ゲストとして三浦大知も登場。放送前からすでに話題となり、放送が始まるやいなやTwitterトレンドでは世界1位に。2回目の放送とあってか、前回以上にチームワークが作り上げられアットホームな空気が漂う放送回となった。


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 番組前半では、ゲストである三浦を中心にトークが繰り広げられる。三浦は、心が揺さぶられたというジャスティン・ティンバーレイクのダンスについて語った。すると、星野も「今回僕も心が震えたダンスがありまして……」と話し始め、新曲「アイデア」で三浦が担当した振り付けに心が震えたと絶賛。MVの舞台裏映像を紹介した。「アイデア」は、1番から2番にかけてビートや演奏方法をガラッと変える曲展開や水溜りが星野の横顔となっているジャケット写真など、タイトル通りあらゆるところにアイデアが詰まった作品。星野は、間奏部分について「ストリングスがブワーってあがっていくところがあるんだけど、リバースみたいな気持ちで作った」と明かすと、振り付けについても言及。三浦は自分が何も説明せずとも、楽曲のこだわりを理解しており、リバース部分に合せてダンスも巻き戻している、と興奮ぎみに三浦の凄さについて語った。


 また、星野が「実はお父さんミュージカル大好きなのよね」と、高畑に話をふったことで、トークは高畑のミュージカル偏愛の話に。観劇を観るためにひとりでニューヨークに行くという熱烈なミュージカル好きである高畑であるが、番組ではなかなかその思いをうまく伝えられず困惑してしまう場面も。しかし、星野が「いいの。これはこういうふうに語る番組なの」とフォローし、話しやすい空気を作っていった。番組全体が終始リラックスした雰囲気であることも、星野のこうした気遣いによるもであることが伺える。最初は戸惑いながら話していた高畑も、最後には「日本ではミュージカルの敷居が高いから、遊びに行く感覚で観てくれる世の中になるように頑張る」とミュージカルに対する胸の内を語っていた。星野も映画『雨に唄えば』や、和製ミュージカル映画『君も出世ができる』が好きで、特にフランキー堺や植木等といった世代の映画が好きだと明かした。また、高畑が映画『グレイテスト・ショーマン』の舞台裏映像を見て涙ぐんだというエピソードを話すと、星野も「ポケモンやスマッシュブラザーズを、海外で発表したときの映像が大好きなの。イエーイって泣きながらみんな喜んでて。それ観ると泣いちゃうのよ。全身で表現するってなんて素敵なんだろう」と、高畑に共感しながら語った。


 番組後半では、出演者がパフォーマンスを次々と披露していく。三浦は自身の楽曲「DIVE!」を星野編曲によるスペシャルバージョンで、藤井はトラックメイカー・STUTSを演奏に含め自身の名曲「ナンダカンダ」をパフォーマンスした。また“宮野真守似”のアイドル・雅マモルも登場。自身が手がけた楽曲「恋はホップステップジャンプ」を披露。高畑はアカペラで星野の楽曲「Family Song」を、星野と長岡 亮介による弾き語りに乗せて歌った。


 前回の放送では、星野がマイケル・ジャクソンやゲストの細野晴臣への音楽偏愛について語られる場面が多かった『おげんさんといっしょ』。今回はトークや演奏を通して、星野だけでなく、三浦や高畑などの出演者にもフォーカスを当てた放送になった。星野は、自分の話を入れつつ相手の話に共感することで、相手がもっと話したくなるような環境を作っていった。さらに、終始自然体で番組を進めている姿勢は、周囲もリラックスさせているように思える。そうした星野の気配りや周囲を引き立てていく様子からは、前回よりもさらに座長としての風格を感じた。放送2回目にしてチームワークが出来上がってきている同番組。ゆっくり時間をかけて放送を重ねることで、”おげんさんファミリー”の絆が徐々に深まっていくところも、今後の見所となっていくことだろう。(北村奈都樹)