WEC世界耐久選手権のLM-GTEプロクラスに参戦しているポルシェGTチームは8月19日、イギリス・シルバーストンで行なわれたWEC第3戦シルバーストンで91号車ポルシェ911 RSRがクラス2位となったが、レース後の再車検において車両規定違反が見つかり、失格裁定を受けている。
リチャード・リエツとジャンマリア・ブルーニがシェアする91号車ポルシェは、フェラーリ、アストンマーチン、BMW、フォードというライバルメーカーのワークスマシンが集う“激戦区”であるGTEプロクラスの最後尾、クラス10番手からレースをスタート。
序盤こそグリッド順位が仇になり上位に進出することができなかったが、レース中盤に入ったセーフティカーランを機に、3時間過ぎからは徐々に表彰台圏内に近づいていく。ポルシェワークスの片翼を担うマシンはスタートから4時間後にクラス3番手に浮上すると、最後の1時間には優勝したAFコルセの51号車フェラーリ488 GTE Evo(アレッサンドロ・ピエール・グイディ/ジェームス・カラド組)に次ぐクラス2番手に浮上し、そのまま2位でチェッカーを受けた。
そんな91号車ポルシェだが、レース後の再車検でライドハイト(最低地上高)が規定の50mmを満たしていないことが発覚する。スチュワードの報告書によると当該車両の地上高は48mmだった。ポルシェは車高が下がった理由にタイヤの摩耗が極端に進んだことを挙げたが、スチュワードはこの主張を退けている。
この結果、第2戦ル・マンに続いて第3戦でもクラス2位表彰台を獲得していた91号車ポルシェは決勝結果から除外されることとなり、代わってフォード・チップ・ガナッシ・チームUKの67号車フォードGT(アンディ・プリオール/ハリー・ティンクネル組)が同2位に繰り上がった。クラス3位には最終盤に67号車フォードと激しい表彰台争いを繰り広げた92号車ポルシェ911 RSR(ミハエル・クリステンセン/ケビン・エストーレ組)が入っている。