WRC世界ラリー選手権第9戦ドイチェランドは8月19日、SS16~18が行われ、競技初日から首位に立っていたトヨタのオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が逃げ切り優勝。2連勝を飾るとともに、トヨタにWRC復帰後、初のターマック(舗装路)戦勝利をもたらした。またエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)が3位表彰台を獲得している。
■Mスポーツ・フォード
●セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)/総合4位
「今週末はさらに上位でフィニッシュできたはずだから、この結果に満足しているとは言えない。でも、こういった展開になるのもラリーだし、受け入れるしかない」
「(ボーナスポイントが獲得できる)パワーステージでトップタイムを記録できたことが救いだよ。気持ちを切り替えて次のラウンド(第10戦トルコ)に集中していく必要がある」
●テーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)/総合5位
「素晴らしいラリーだった。ドライビングを大幅に改善できたし、いいセットアップをみつけられたんだ」
「最初から最後まで、僕たちは大きな成長を遂げることができたし、まずまずのタイムを刻んだステージもあった。もちろんすべてのステージで理想的な走りができたわけではないけど、僕にはとにかく経験を積むことが重要だった」
●エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)/総合25位
「出走順を考慮しても、初日は調子がよかった。いい仕事ができたと思っている。ただ、残念ながら(競技2日目の)土曜日はそうはいかなかった」
「オープニングステージ(SS8)ではタイムを失ってしまったし、3つ目のステージ(SS10)ではスピン、4つ目のステージ(SS11)では茂みに突っ込んでしまいデイリタイアを余儀なくされた」
「(総合25位という)今回の結果は僕たちが望んでいたものとはほど遠いけど、次の戦いに気持ちを切り替えていく」
■ヒュンダイ・モータースポーツ
●ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)/総合2位
「かなりチャレンジングな週末だったから、総合2位で終えることができてよかった。目標だった選手権でのリードもほんの少し広げることができたからね」
「パワーステージ(のSS18)ではもう少しポイントをポイントを稼ぎたかったけど、ミスしてしまったから、そのあとはセーフティに走ったよ」
「週末をとおして安定した走りができていたけど、自信を持って走ることができなかったし、ペースにも納得していない。簡単な戦いではなかったけど、やるべきことは達成できた」
「このあともチャンピオン争いは僅差の戦いになるだろうね」
●アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)/総合6位
「この週末はマシンセッティングや自分のドライビングスタイルを、このターマック(舗装路)ステージに合わせるための実験に費やした。いい感触を掴めたポイントもあるけど、あまりうまく機能しなかったものあるよ」
「総合6位という結果は悪いものではないよ。パワーステージ(のSS18)ではまったくリスクを冒すことはなかった。マニュファクチャラーズランキングのポイントを持ち帰ることがなによりも重要だったからね」
「(マシンや自分の走りに)絶対的な確信が持てない状況でアタックしてしまうと簡単にミスしてしまう。次のターマックイベントである(第12戦)スペインに向けてたくさんの宿題ができた」
「今はより自信を持って戦えるグラベル(未舗装路)での戦いに(第10戦トルコで)戻ることを楽しみにしている」
●ダニー・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)/リタイア
「チームにとっても自分にとっても、とても残念な結果になってしまった。(競技3日目の)土曜日を終えていいポジションにつけていたし、今朝もマシンに高いグリップレベルがあると感じていてフィーリングは最高だった」
「(SS16では)道に砂利が広がっているところで、コーナーへのブレーキが少し遅れてしまった。その結果、ラインがワイドになって、ぶどう畑に突っ込んでしまったんだ。フロントガラスが完全に割れてしまったし、ラジエーターにもダメージを負ってしまった」
「(SS16完走後)マシンの修復を試みたけど、(ラジエーターの破損で)温度が上がりすぎていて走行続行は不可能だった。(SS16終了時点で総合7番手まで後退していて)すでに僕たちのラリーは終わったも同然だったけどね」
「それでも表彰台争いをできたということには自信を得られた。速さは発揮できたけど、それが結果につながらなかった。今は僕のホームイベントである(第12戦)スペインを楽しみにしているよ」
■シトロエン・レーシング
●クレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)/総合7位
「金曜日に雨が降ったこと、そして(競技3日目の)土曜午後に自分が犯してしまったミスが悔やまれる。最高のドライバーたちと最後までラリーを戦いたいと心の底から思っていたからね」
「しかし土曜日は最後まで走り切ることができた。(最終日の)今日もずっといいフィーリングで走ることができたよ」
「次のトルコ戦で最高の成績を手にするために、これからもベストを尽くしていく。このラリーは誰にとっても初めての挑戦だから、この貴重なチャンスを生かさないとね」
●マッズ・オストベルグ(シトロエンC3 WRC)/リタイア
「高速の左コーナーに差し掛かったとき、オーバーステアが出てしまい、茂みに突っ込んでしまった。この衝撃で冷却系にダメージを負ってしまい、走行を続けられなくなってしまったんだ」
「残念な結果の終わってしまったけど、この週末はいい面もあった。僕たちは徐々にペースを上げることができていたし、C3 WRCをこの路面(ターマック)で走らせた経験が少ないにもかかわらず、安定したタイムを刻めていたからね」
■トヨタ
●ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)/リタイア
「最初のSSに向かうロードセクションで止まった時、ギヤを1速に入れようとしたけど、(ギヤが)入らなかった。油圧ポンプが止まってしまったんだ」
「ギヤチェンジを手動に切り替えることはできたけど、油圧ポンプが作動していないためギヤボックスに大きなストレスがかかり、結局駆動を完全に失った」
「今年は何度も運の悪い出来事に遭遇してきたけど、今週末はいいフィーリングを感じていただけに残念だ。クルマのパフォーマンスは非常に高く、戦いを楽しめたことが今回1番の収穫だよ」
●オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)/総合1位
「間違いなく、今まででもっとも大変な思いをして手にした勝利だ。週末をとおして激しいバトルが続き、ひたすら全力で攻め続けなくてはならなかったけど、金曜日のぶどう畑のステージでは、快適に運転することができた」
「土曜日の午前中はあまり自信を持てなかったが、チームが日中のサービスでクルマを大幅に改善してくれたんだ。そして今日は、クリーンな走りだけを心がけた。僕たちのチームは今週末本当に強く、とても満足している」
「選手権争いについても正しい方向に進んでいると思うけど、それでも自分としては1戦、1戦を大事にしている。現在は次戦トルコに集中していて、できる限り万全な準備をしてラリーに臨みたいと思う」
●エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)/総合3位
「本当に大変な週末だったけど、それでも問題もミスもなく戦い続けた結果、ポディウムに立つことができた。自分のまわりでは、昨日から今日にかけていろいろな出来事があったけど、それがラリーというものであり、僕自身もそのような経験をしてきた」
「週末を通して前進することができたと思いますが、それでもダーティな路面で限界がどこにあるのかを理解するには、もう少し多くの距離を走る必要があるね。ドイチェランドはミスに寛容なラリーではないから、今回はミスをしないよう、細心の注意を払って走った」